2009年01月12日

星とニュースの売買

 小倉氏とかいうテレビキャスターが、場所前に朝青龍関に対し、「星が買えればいい」みたいな発言しました。それに対して、相撲協会に取材拒否を臭わせるような「抗議」を受けて謝罪した、というニュースがありました。
 相撲協会の過剰反応には毎度の事ながら問題があると思います。とはいえ、キャスター氏を擁護する気にもなれません。なにしろ、昨年後半は怪我でほとんど土俵に上がれなかったものの、22回優勝した横綱に対し、要は「八百長しなければ勝てない」と言ったわけです。失礼と言わざるを得ないでしょう。

 ただ、そのキャスター氏の「実績」を聞いた事があるので、この安易な「八百長発言」をの記事を見ても、あまり違和感がありませんでした。
 その「実績」とは、ある零細企業の社長が、「知人の知人」の紹介でこのキャスター氏と一回食事をしたところ、数日後に流れたニュース番組の冒頭で、そのキャスター氏がその会社の宣伝をした、というものです。しかも、内容はロクに取材もしておらず、その会社のサイトにも書かれていないような架空の「実績」まで語っていました。
 もちろん、その会席の場にいたわけではないので、その場でどのような「取引」が行なわれたかは分かりません。とはいえ、一度食事しただけの人の会社を、ロクな取材もせずに、あることないことTV番組で宣伝する、という姿勢が報道者として不適切である事は間違いありません。それこそ「星の売り買い」に類する事がその場であった、と思われても仕方ないでしょう。
 それを知っていただけに、ニュースを見たときは、「つい、自分の『報道』と同じ姿勢で、相撲について語ったのだろうか」などと思ってしまいました。

2009年01月12日 23:35