2008年12月21日

ロッテ球団、この時期に来期終了時の監督解任を発表

 昼過ぎ、ネットに、ロッテ球団がバレンタイン監督を来期限りで解任する、という発表をしたというニュースが流れました。球団公式サイトには何の記載もありませんが、各報道機関がかなり具体的に報じているので、正式発表を行なったと思われます。
 これがまだ、急遽来期の契約を解除した、というならまだ分からなくもありません。しかしながら、今から一年後の監督退任を発表する、というのは前代未聞ではないでしょうか。
 報道を見ると、直接の引き金として、先日の大リーグウインターミーティングでバレンタイン監督が、韓国の金東柱選手の身分照会をした事件があるようです。その失策を好機として、一気に球団側が事を進めた、というのでしょう。

 ただ、今回の話はその失策ゆえに急遽浮上したわけではありません。シーズン中である9月に、バレンタイン監督が自ら報道陣に、球団から辞任勧告を受けた事を明かしています。その際、球団は否定しましたが、今回の結果を見る限り、バレンタイン監督の発言が事実だったと言わざるを得ません。
 今回の問題は、監督解任の是非と、前代未聞のこの時期に発表した事の二つを分けて考える必要があると思っています。とりあえず今日は、「この時期に発表した」という事の是非に絞って書いてみます。
 まず、来期のチームにおいて、何か利点はあるのでしょうか。いくつか考えてみましたが、一つくらいしか思いつきませんでした。一方、問題点は多数あります。
 一番の問題は、チームの士気低下です。監督に限らず、外国人コーチを始め、バレンタイン監督主導で入団した人たちもあわせて退団する事になるでしょう。
 もちろん彼らは一流のプロですから、今季限りの契約解除が決まっているから仕事の手を抜く、という事はないとは思います。ただ、当然ながら来期以降を見据えて采配をふるうのと、今季限りを前提とするのでは、内容は異なるでしょう。
 私も二度ほど転職した事がありますが、退職が決まった後の仕事において、これまでやってきた事の残務整理と引き継ぎに関しては、可能な限り頑張りました。しかしながら、その先を見据えた仕事は、やった所で終わるわけでもないし、中途半端に手がけて引き継いでも後任者に迷惑がかかるだけなので、一切行えませんでした。
 さらにひどいことに、球団代表氏は、フロントの粛正まで明言しています。フロントの人たちだって生活がかかっていますから、そうなると、まず保身を最優先にして仕事をする事でしょう。それは、瀬戸山氏自身の社内権力の強化にはつながるかもしれませんが、チームおよびファンにとって良い結果に結びつくとは思えません。もちろん、これは2010年になって新監督が就任すれば片付く問題でもありません。
 もし、何が何でも2010年にバレンタイン監督と契約しない事が決まっているのでしたら、来期分の年俸+違約金を支払ってでも即座に解任し、西村コーチの昇格など、新体制を作って2009年に臨むべきでしょう。フロントの体制についても同様です。
 とにかく、今回の件が、チームおよびファンにとって、百害あって一利無しである事だけは断言できます。では「一つだけ思いついた利点」が何かと言うと、それは、「まだ事態が急変して白紙撤回となり、責任問題となって逆に瀬戸山氏解任となる可能性が残されている」という事です。少なくとも、来年9月の発表でしたら覆る事はないわけですから・・・。
 なお、監督解任の是非をはじめ、本問題について思うことは大量にありますので、それについては別途書く予定です。

2008年12月21日 23:56