2008年12月18日

ハロワ

 職場で社会保険を担当している人が「ハロワに行ってくる」と言っているのを聞きました。一瞬、どこに行くんだ?と不思議に思ったのですが、会話を続けて聞いていたところ、「ハローワークに行く」の略称である事が理解できました。
 かつては、この機関はは、「公共職業安定所」で略して「職安」と呼ばれていました。言葉を何回か聞けば、子供でも何のために存在するものなのかすぐに理解できるという、分かりやすい名称・略称でした。それがいつの間にか、和製英語である「ハローワーク」となり、意味不明の略称までついてしまったわけです。

 もう、改称(?)されて10年以上たっているようですが、それによる利点があったとはいまだに思えません。どう見ても、略称も含めて分かりやすかった日本語の名称を、分かりにくい上に、略すると暗号になる和製英語に置換えただけとしか思えません。
 この類の「日本語破壊」は至る所で見ることができます。しかしながら、その略称を聞いたときは、改めて、ひどい「改称」をしたものだと思いました。
 まあ、10年ほど前といえば、政財界が「平凡に生活していればとりあえずは幸せに生きていける」という社会体制を破壊した時期でもあります。その象徴の一つに、昨今の「派遣切り」に象徴される、「職業の不安定化」があるわけです。
 そう考えれば、「多くの人が安定した職業を得られない時代」にふさわしい「改称」と言えるかもしれません。だからといって、その改称がろくでもない、という事には変りはありませんが・・・。

2008年12月18日 01:03