2008年11月29日

渓流とダム

 昨日の話の続きですが、最初に向かったのは高山でした。行きは西の窓側、帰りは東の窓側が取れたため、双方の車窓風景を見ることができました。
 高山本線と言えば、川に沿って走る路線として知られています。高山の手前までは、木曽川の支流である飛騨川に沿っており、途中には「飛水峡」などといった名所も車窓から見ることができます。
 ただ、これらの景勝地の大半は、線路の東側にあります。したがって、行きの前半は、ほとんど見ることができませんでした。

 ある程度山の中に入ると、線路が川を渡るため、こちら側の車窓に川が見えます。ところが、そこから見える風景の半分くらいはダムでした。大小合わせると、五つくらいあったでしょうか。
 仰々しい水門と、その後に続く人造湖は、見ていると興ざめします。しばらくすると、流れが戻り、中には巨岩が転がっていたりする所もあるのですが、至る所に人工物が見えて興ざめします。またそのうち、ダムが現れてしまいます。
 分水嶺を抜けて高山市に入ると、こちらは、護岸工事などがなく、かなり自然に近い形でした。
 帰りは東側だったので、今度は飛水峡を初めとする天然の渓谷を見ることができました。しかしながら、見ていても、ついつい行きに見たダムを思いだしてしまい、「川全体で見ると、自然の景観ではない」と認識してしまいます。そこで、巨岩の間の激流を見ても、今ひとつさめた感じになってしまいました。
 これが行きと帰りが逆だったら、全然違う印象を持った事でしょう。というわけで、もし、岐阜から高山本線に乗る人がいたら、東側(進行方向右側)の窓際に座ることを強く勧めることにしよう、と思いました。

2008年11月29日 23:55