2008年09月24日

大量点で快勝し、胴上げ阻止・4月以来の貯金

 所沢で行なわれた、埼玉-千葉は涌井投手と久保投手が先発。久保投手は昨年に続き、「相手の胴上げがかかった試合」での登板となりました。なお、先発メンバーは昨日と全く同じ顔ぶれでした。
 初回、2回と、両チームとも、得点圏に走者を進めながら先制できません。
 そして3回裏、久保投手は2死を取るも、連打されます。さらに三塁ゴロが失策となり満塁と嫌な流れを作りますが、前の打席で長打された石井義選手を打ち取り、ここも0点に抑えます。

 すると直後の4回表、先頭のズレータ選手が13球粘って四球で出塁します。そして続く大松選手が、これまた粘った後、右翼席に24号2ランを放ち、千葉が先制します。
 さらに安打2本で1死1・3塁とすると、西岡選手が中前に適時打を放って追加点を挙げます。そこからオーティズ選手の内野安打で満塁とすると、里崎選手が手首に押し出しとなる死球を受けて4点目。ここで涌井投手は降板となりました。また、里崎選手は当たった直後はかなり痛そうでしたが、交代などはなく、試合終了までマスクをかぶりました。
 二番手に三井投手が上がりますが、2死後にズレータ選手にまたもや押し出し死球を出します。さらに、大松選手が2点適時打を放ち、この回4打点目を挙げ、一挙7得点となりました。
 続くベニー選手の所で、三番手となる許投手が登板しますが、またもや死球を当てます。この1イニング3死球はタイ記録との事です。ここでベニー選手が投手のほうを向くと、後ろから細川選手が抑えようと肩に手をかけます。しかしこれが逆効果となり、ベニー選手が激昂し、細川選手を投げ飛ばし、乱闘に。ベニー選手は退場となりました。
 久保投手はその裏に1点を返されますが、その後は埼玉打線を抑えます。
 一方、打線は6回にベニー選手に代わって入った大塚選手の適時打で追加点を挙げると、8回には橋本選手に2004年以来の二桁となる10号ソロが出てダメ押し。9対1と差を拡げます。
 久保投手は5回以降は埼玉打線を2安打に抑え、9安打1四球ながら1失点で昨年以来となる完投勝利を挙げました。白星自体も、5月末以来となっています。
 これで、埼玉の目前胴上げを阻止するとともに、4月以来となる貯金1で、北海道と並んで同率3位となっています。観客数は2万8千6百人ほどでした。

 福岡で行なわれた福岡-合併球団はホールトン投手と近藤投手が先発。中盤に先制した合併球団が着実に加点する一方、福岡は最近目立つ、走者は出るも得点できない展開で抑えられます。結局4対1で合併球団が勝利し、埼玉のマジックは1のまま。
 王監督は本拠地最終戦を飾れず、チームも11年ぶりとなるBクラスが確定してしまいました。観客数は3万5千5百人ほどでした。

 ところで、NHKが22時より、「奇跡の大逆転!神様、仏様、稲尾様~稲尾和久 奮闘の日々~」という番組を放映していました。稲尾投手を題材にする、というのはとてもいい観点だと思い、録画しながら見ました。
 ところが、その内容はかなり残念なものでした。題名にあるとおり、1958年の日本シリーズが中心になっています。その中で、特に長嶋選手との対決を中心に取り上げているのですが、その扱い方がひどすぎるのです。
 最初の試合で長嶋選手に打たれた稲尾投手が「ノーサイン投法」で封じる、というところは確かに事実ですし、その驚異的な内容については、うまく映像化しています。しかし、さらにその後用いた「逆算の投球術」については、何一つ述べていません。
 そして、最後の対決映像として、「6対0で迎えた9回走者無しでのランニング本塁打」などという、日本シリーズの流れとは全く関係のない映像を延々と流していました。
 それを流すなら、どう考えても、「神様、仏様」の呼称が誕生した、第5戦で稲尾投手自らが放った、サヨナラ本塁打を流すべきでしょう。
 さらに、ゲストで「スポーツライター」が登場するのですが、この人、まともに稲尾投手を取材した実績があるわけでもなさそうです。
 結局、稲尾投手の契約金が50万円で、長嶋選手の契約金が1800万円だった事から、「長嶋さんはスーパースターだが、稲尾さんは等身大のヒーロー」などと訳の分からない事を言っただけでした。そんなのは、アマチュア時代の実績が違うだけの話だと思うのですが・・・。ちなみに、当然ながら、稲尾投手は後に球界最高年棒投手になっています。
 こんな三流ライターを使う暇があれば、中西氏や豊田氏といった、その日本シリーズを一緒に闘った選手の談話を集めるべきでは、と強く思いました。
 というわけで、最高の材料を使いながら、下手すぎる調理のためにまずくなってしまったものを食べたような気分となってしまいました。

2008年09月24日 23:56