2008年09月15日

名刺のマナー

 電車の扉の上にあるテレビで、任天堂がビジネスマナー講座を流していました。主題は、名刺のやりとりで、「渡そうとして、自分の名刺が落ちたらどうなるのか」とか「相手の名前が読めなかった場合の対処法」などが説明されていました。
 何でも、落とした名刺は拾わずに、新しい名刺を渡すべきだそうです。また、相手の名前が読めなかった時は、言葉で聞いてもいいけれど、それを名刺に記入するのは「マナー違反」だそうです。

 16年半ほど社会人をやり、昨年後半は営業みたいな事もちょっとやりましたが、そんな掟があるとは知りませんでした。おそらくは、「名刺=その人そのもの」的な考え方によるものなのでしょう。
 しかしながら、この掟は、いずれも時代にあっていないと思いました。落とした名刺を渡せないという事は、その名刺は使えなくなるわけで、わずかとはいえ、森林資源を無駄にすることになります。
 さらに、「読み方」に至っては、大半の名刺に本人の苗字をローマ字にしたメールアドレスが記載されている今となっては、問題になる事すらないでしょう。さらに言えば、たまに変わった苗字の人と名刺交換しますが、ほとんどが読み仮名つきです。
 ある時期まで「名刺=その人そのもの」的な考えがあったのは確かでしょう。ただ、40近い私ですら、そのような感覚はありません。別に落とした名刺を渡されようと、自分の名刺に目の前で書き込みされようと、何とも思わないでしょう。
 本来、その人の名前・身分・連絡先を確認・整理する道具だった名刺が、そのように「神聖化」されたのには色々な経緯があるのでしょう。とはいえ、21世紀にもなった今となっては、時代に即さない「マナー」なのでは、と思いました。

2008年09月15日 23:53