2008年09月05日

教育を見直すべき連中

 大麻所持疑惑でロシア人力士が逮捕・解雇されたのを受け、力士を抜き打ち検査したところ、ロシア人である露鵬関と白露山関二人に「陽性反応」が出た、といってさらなるニュースになっています。ただ、現時点ではあくまでも「疑惑」でしかありません。ありていに言えば、松本サリン事件の河野氏と同じ位置づけです。
 ところが、まだそれだけの状況でしかないのに、一部に「だから外国人力士はダメだ」という論調が出ています。河北新報は、本人たちは大麻とのかかわりを強く否定している。詳しい検査結果が出れば、その言い分があるいは証明されるかもしれない。しかしそれでも、一件落着とはいかないのではないか。などという、「容疑者=犯人」みたいな論調から始まっています。
 そして「禁止されている自動車の運転」などといった事まで取り上げて、「だから外国人力士は・・・」などと書いています。一方で、「新弟子リンチ殺事件」については一言も触れていません。

 これだけでもかなり呆れましたが、下には下がいるものです。産経新聞は「角界は鎖国すべきだ」という匿名の「角界に詳しい関係者」の談話を載せた後、続いて暴力団と癒着して辞職勧告決議案を受けたものの居直った議員の談話を載せています。
 無責任な匿名者と、議員失格としか言いようがない輩の談話を使って、両横綱を初めとする、実際に角界に貢献してきた外国人力士達の存在を否定するような言葉を載せているのです。
 さらに、続いてデーモン小暮氏の精密検査の結果がシロでも、ファンへの裏切り行為などという「談話」を乗せています。しかしながら、氏はブログにおいて批判はしていますが、「疑惑が事実だったら」と断り書きを入れ、それを前提に書いています。もちろん、「シロでも裏切り」などとは一言も書いていません。
 普通、新聞に言ったことと正反対の事を自分のブログに書く人はいないでしょう。つまり、明らかに言っていない事を書いているのです。
 こうやって考えて見ると、あらためて一部商業マスコミの低俗ぶりに驚かされます。たかだか疑惑の段階で、重要な事実を無視したり、暴力団と癒着した人間の談話を使ったり、談話をねつ造したりしているのです。
 二つの記事とも、「外国人力士の教育方法がダメだった」みたいな事を書いています。しかしながら、教育方法がダメだったのは、このような「報道者」として最低限の事すらできないこの記事を書いた連中だと、強く思いました。

2008年09月05日 01:31