2008年07月25日

大嶺投手、ダルビッシュ投手に投げ勝ってプロ初勝利

 札幌で行なわれた北海道-千葉はダルビッシュ投手と大嶺投手が先発。エース候補とはいえ、現時点では未勝利の大嶺投手に対し、相手のダルビッシュ投手は既に日本球界のエースです。しかも、札幌での対千葉ではCSを含めて7戦7勝で、その7試合の失点の合計が僅か5(うち自責点4)という安定ぶり。したがって、北海道の勝利を予想した人が多かったでしょう。
 スタメンのほうは、根元選手と橋本選手が戻り、さらに9番中堅に早川選手が入る「純国産打線」でした。

 そのダルビッシュ投手に対し、初回に先頭打者の西岡選手が安打しますが、後続がなく0点に終わり、2回に四球で得た好機も併殺で打ち取られ、三人で終わります。
 しかし、対する大嶺投手は、それを上回る好投。2回までを無走者で終え、3回も先頭打者を歩かせて犠打で進まれるものの、後続を抑えます。
 そして、0対0で迎えた3回表、先頭の根元選手が歩くと、福浦選手が安打で続きます。ここで、四番の里崎選手はバントを空振りした後に強攻に。打球はボテボテのゴロでしたら、三塁線ギリギリで止って内野安打となり、無死満塁と絶好の先制機を迎えます。
 しかし、続く満塁に強い大松選手、さらには好調の今江選手が連続三振に打ち取られます。ところが、続く橋本選手が、1-1からの3球目に投じられた150kmの速球を打ち返すと、打球は右翼席最前列に入り、5号満塁本塁打にとなりました。
 その裏、大嶺投手は先頭の工藤選手に初安打を喫すると、続く田中選手を歩かせて無死1・2塁とします。続く稲葉選手の当たりは左翼後方に。そして、フェンス際で大松選手がジャンプすると、球はグラブに入ります。映像では、フェンスに当たった後にグラブに入ったかに見えましたが、判定はアウト。大松選手が捕った直後に二塁でなく、三塁方向に投げた事から見ても、フェンスに当たっていたと思われます。
 しかしながら、判定がアウトである以上、今江選手は二塁に投げ、戻れなかった工藤選手はアウトに。梨田監督の抗議も実らず、併殺が成立しました。毎度の事ですが、審判四人制ゆえの事件と言えると思います。
 というわけで、大嶺投手は「幸運」もあってこの回を無失点に。続く5回も三人で抑え、勝利投手の権利を得ます。
 千葉は6回に先頭の大松選手の安打を足がかりに、1死2塁の追加点機を作りますが、ダルビッシュ投手に抑えられます。
 その裏、大嶺投手は先頭の金子選手に二塁打されると、森本選手にも連続二塁打されて1点を返され、そこから二死を取りますが、稲葉選手に適時打を喫して2点差とされます。しかし、続く一発出れば同点の局面は、高橋選手を抑え、リードを保ったまま、この回で降板となりました。
 直後の7回表、連打で無死1・2塁としますが、中軸三人が倒れ、ここも追加点を奪えません。するとその裏、この回から登板の久保投手が2安打で1死2・3塁とした後に金子誠投手を歩かせ、満塁としてしまいます。
 ここでの三番手はシコースキー投手かと思われましたが、小宮山投手が登板しました。この重要な場面で登板した小宮山投手がベテランの技量を存分に発揮し、森本選手を浅い左飛に、工藤選手を内野ゴロに打ち取り、0点に抑えます。
 一方、球数が150近いダルビッシュ投手ですが8回も続投。しかし、先頭の今江選手が二塁打を放つと、1死後にサブロー選手が安打して1・3塁に。ここで早川選手が犠飛を放って貴重な追加点を挙げます。
 その裏、川崎投手は2死1・2塁からボッツ選手に左中間に大きな当たりを打たれますが、これを早川選手が好捕し、ここも0点に抑えます。
 そして9回は荻野投手が四球こそあったものの無安打に抑えて試合終了。5対2で勝ち、大嶺投手はプロ初勝利。また、札幌での対ダルビッシュ投手初勝利となりました。観客数は2万7千8百人ほどでした。
 ヒーローインタビューでの大嶺投手は、「石垣から一番遠い札幌で初勝利を挙げたのは忘れられない思い出になる」など、故郷への強い想いを語っていました。札幌でダルビッシュ投手に投げ勝っただけに、より価値の高いプロ初勝利だったと思いました。

2008年07月25日 00:03