2008年03月31日

フィッシング

 公式サイトに似せたサイトに利用者を誘導し、IDやパスワードを詐取する「フィッシング(Phishing)」が、相変らず後を絶たないそうです。
 それはともかく、この言葉、出てきた時から、なぜ「釣り」を意味しているにも関わらず、「fishing」でなく「phishing」なのか、と不思議に思っていました。
 そんな中、IT用語辞典というサイトを見ていたら、フィッシングの解説がありました。
 それによると、偽装の手法が洗練されている(sophisticated)ことから「phishing」と綴るようになったとする説がある。とありました。さらに、ウィキペディアではそれに加えて、単に"fishing"のLeet的言い換え(同音を別表記にした、ユーモアの一種)とする説、"password harvesting fishing" の略とする説がある。となっています。

 「英語の新語」についての知識などありません。ただ、いずれの説もなんかえらい無理がある、と思いました。
 かりに「sophisticated」とかけるとして、なぜ三文字目と四文字目なのか、よく分かりません。一方、「ユーモアの一種」などで命名するのは、場合によってはその人の全財産を奪いかねないような詐欺を表現するのに不適切です。
 「password harvesting fishing」というのも、「harvest」が「収穫する・魚をとる」という意味であることを考えると、「パスワードを穫って釣る」という「頭痛が痛い」みたいな変な言葉のように思えてきます。
 というわけで、説を読めば読むほど、なぜ「f」でなく「ph」にしたのかが理解できなくなりました。上記の説を日本語に置換えると、「釣り」でいいところを、「津波にあったような被害にあうから、『津り』にした」とでもなるのでしょうか。普通、そんな事をする人はいません。
 単に、最初にこの「偽サイト詐欺」を発見した人が、単に打ち間違いを犯してしまい、それを誰もが訂正することなく「詐欺用語」として定着してしまった、というだけの話かも、とも思いました。そちらのほうが、「洗練」だの「言葉遊び」よりはまだ説得力がありそうです。

2008年03月31日 23:22