2008年03月22日

地図上でものを考える?

 数日前のニュースで、高校生と大学生を対象に、県や国の位置を地図上で示す試験をしたところ、宮崎県の位置を知っていた高校生が五割以下だった、という記事がありました。さらにその結果を受けて、「国際化が進む中、地図上で物を考えることができる若者が少ないのは問題」と分析。した大学教授の談話も載っていました。
 それはまあ、知らないよりは知っていた方がいいとは思います。とはいえ、これは「地図上で物を考える」という事なのでしょうか。この試験を見る限り、どう考えても「暗記しているかどうか」であり、「考える」とは違うと思うのですが・・・。

 ちなみに、世界地理に関する試験では、イラクの正答率が低かったそうです。これなどはより分かりやすい例と言えるでしょう。
 この試験の正答率を上げたければ、生徒や学生に世界地図を見せて「ペルシャ湾の最奥部で、アラビア半島付け根の北東」などと覚えさせればいいわけです。しかし、それに何の意味があるのでしょうか。
 そんな事を暗記していても、この地で5年前より戦争が行われており、今でも多くの国民が苦しめられている。そんな中で、元凶となった国家元首は、先日もこの戦争を自画自賛した」という事実を知らなければ、何も「地図上で物を考える」事にはなりません。
 台形の面積の時も書きましたが、なんでこのような、「生活にも思考力の育成にも役に立たないような学習項目」についてたびたび取り上げられるのでしょうか。不思議かつ不可解です。

2008年03月22日 01:36