2007年10月18日

「逆王手」における二重の誤用

[ 野球 ]

 16日にマリーンズが勝って2勝2敗とした時、少なからぬメディアが「逆王手」という文字を使いました。メディアのみならず、マリーンズの選手のブログでも「逆王手」という言葉は使われていました。この言葉、はっきり言って二重の意味くらいで誤用だったりします。将棋では、反則を別にすれば、「次の一手でどちらかが必ず勝つ」という状況は存在し得ません。

 ところで、この「逆王手」という言葉でググってみたら、いくつかのブログで「そんな状況、存在し得ない」といって批判していました。批判精神はたいへんよろしいと思いますが、実はこの批判も「誤用」です。逆王手自体は実際の将棋で幾度となく存在しています。
 だいたい、それ以前の問題として、「あと1勝で勝利」というのを「王手」という事自体が誤用だったりします。「王手をかける」事と勝敗はまったくもって別の問題です。将棋の勝敗において、王手をかける回数は何ら関係ありません。十回王手をかけた方が、一度も王手をかけてない方に負ける事もあります。さらに言えば、開始してから三手目で王手をかける事は可能ですが、それを実践したら、99.9%以上の確率で、王手をかけたほうが負けます。
 もっとも、ここまで普及してしまうと、最早「あと1回負ければ終わり、というチームもしくは選手が、五分に戻した」という状況を意味する、将棋とはかけ離れた「野球などの専門用語」と考えたほうがいいのでしょう。
 とまあ、しょうもない事を書き連ねましたが、「王手」も「逆王手」も関係なく、第5戦では最高の試合を期待しています。

2007年10月18日 01:13