2007年10月05日

万引きと生命

 ここのところ、万引き犯を捕まえた店員が、犯人に暴行して死に至らしめた、という事件が多数報道されています。私は、「相手の罪に対して暴力で裁く」という行為は否定するという考えを持っています。したがって、殺人犯を法務大臣の命令で絞殺する事だろうと、「国際社会の要請でテロ撲滅」の名目でイラクやアフガンで民間人を大量虐殺する事だろうと賛成できません。したがって、殺した店員を擁護する気は毛頭ありません。
 とはいえ、死んだ犯人の盗んだものが「126円のパン」とか「漫画本一冊」だったとか言って、あたかも「たいした事をしていないのに殺された」というように報道する姿勢もどうかと思います。では仮に、これが「126億円の芸術品」だったら、殺されてもかまわないのか、という論法になりかねないからです。

 ただ、その論議とは別に、犠牲者の死を無駄にしないためにも、一連の悲劇は活用できないかとも思っています。今だと、万引き防止の啓発といえば、「万引きは犯罪です」とか「万引きすると、金額の多寡によらず、家族・学校・職場に通報します」といったものくらいです。これを、「万引きした事が原因で、命を落とした人が多々います」とすれば、犯罪防止に役立つでしょう。ついでに、店内には「万引きは犯罪です。万引き犯を殴るのも犯罪です」という標語を貼っておけば、「二次犯罪防止」にも役に立ちそうです。

2007年10月05日 00:52