2007年09月21日

「取材商法」の活用法?

 社長が問題を起こして消息不明になった、とある企業を調べる必要が生じました。とりあえずググってみたところ、一番上に、その社長が失踪する前に行われたインタビューが掲載されている雑誌のサイトが載っていました。
 最初は、「こんな輩を取材するなんて、見る目のない雑誌だな」と笑いました。せっかくだから記事も読んでみたのですが、その記事の程度の低さにまた苦笑させられてしまいました。そしてページの脇にはライター紹介欄があったので、どんな奴が書いているのか、と思って読んでみました。すると、そこにいたのは物書きのプロでなく、一流とは言えないタレントでした。

 一瞬、なんで文章の下手なタレントが、冴えない社長のインタビューをする雑誌なんか、どうやって採算を取っているんだ?と不思議に思いました。しかし数秒後に「取材商法」という話を思い出しました。
 これは中小企業の社長や自営業者に「記事にするから取材させてくれ」と言い、いざ「取材」をすると掲載料を請求する、という商売です。念のため、その掲載誌で再度ググったところ、やはり「取材商法」に関する記事が大量に出てきました。
 最初にこの「商法」を知ったときは、やるほうもセコいし、カモになるほうも間が抜けている。規模も小さいし意味がないな、などと思っていました。しかし、今回の「失踪社長」の件で少々感覚が変わりました。
 こんなしょうもない商売にひっかかるような人が経営しているわけです。今回のように、冴えない結末になるのもある意味必然でしょう。そう考えると、「この雑誌に載る人々」というのは、「つきあいや取引は考えたほうがいい人」である可能性が高いと言えるでしょう。つまり、この雑誌は「ダメ紳士録」として考えると、意外に役立つ事に気づかされたのです。世の中、どんなしょうもないものでも、使い方というのはあるものだな、などと、失踪社長の間の抜けたインタビュー記事を読みながら、別の意味で感心しました。

2007年09月21日 00:03