2007年08月10日

作者名より印象に残る歯

[ 漫画 ]

 ガテンの車内吊り広告がありました。近づいて見たら、連載されていると思われる漫画の一コマが載っていました。男が二人描かれているのですが、手前にいるほうは、どこにでもいそうなキャラでした。「なんだ。平凡な顔だな。まあ、このテの漫画だから、作者の個性などが出るわけもないか」などと思いながら、もう一人の脇役とおぼしき男の顔を見ました。
 ガテンの漫画らしく、ヘルメットをかぶっているため、髪型はわかりません。しかし、その男の顔、正確に言えば口を見た瞬間、即座に先ほどの考えを撤回せざるをえなくなりました。その男の前歯はえらい出っ歯です。しかも、大きい歯が一本生えており、それが途中で分かれています。30年ほど前、この歯を持った少年が主役の「ゲームセンターあらし」という児童漫画がありました。最初はインベーダーゲームの腕自慢漫画でしたが、人気が出ると同時にだんだんスケールが大きくなり、「そのゲームの腕で世界を救う」みたいな話まで誕生していました。
 ちなみに、その特徴である出っ歯はただの歯ではなく、ゲームを行うにおいて重要な意味を持つ、というような後付設定もあったかと記憶しています。
 おそらくこの男の歯が普通だったら、他の顔の部分が同じでも、その作者のキャラだという事すら気づかなかったでしょう。それが、歯一枚を見ただけで、一瞬にして30年近見ていなかったキャラである事を思い出せたわけです。さほど好きな作品でもなかったのですが、自分でも知らない間に、その出っ歯が心に刻まれていたようです。
 ちなみに歯を見た瞬間にキャラはわかりましたが、そこから作者名を思い出すまで5分ほどかかりました。

2007年08月10日 00:48