2006年07月10日

願い事のためなら・・・ブレーブス取り

[ 野球 ]

 「ブレイブ・ストーリー」という作品が話題になっているようです。前から気にはなっていたのですが、先日見たTV広告で「願い事のためなら、何をやってもいいのかな」という台詞が流れたので、より気になりました。
 今はマリーンズファンとはいえ、かつてブレーブスを応援していた身としては、ついつい「ブレーブス」と区切ってしまいます。そうすると、「ブレーブス・トーリー」、和訳(?)すると、「ブレーブス・取り」となります。
 その行為を成し遂げた人物は、その買収で企業の知名度を一気に上げました。そして発展していった結果、国策に関与したり、目をかけた役人にファンドを立ち上げさせたりしてその課程で自社の利益を挙げるような事もしています。しかし、そのために役だった球団については、伝統のある「ブレーブス」という名前を剥奪し、代わりに子会社の名前をつけました。

 その後、日本野球史に残るダメ監督を雇用し、チームの弱体化=年俸抑制による利益率向上に着手。偶然に加入した天才のおかげで優勝こそしたものの、その天才がアメリカに移籍した時に得た金も、球団でなく本社に入れるという収奪ぶりを見せました。
 そして構想通り、かつての強豪球団は、超弱小球団に変貌。外野席の応援団からオーナー宛に「日本経済の構造改革の前に、強い球団を返してください」という横断幕が出るほどでした。
 それを受けたわけではないでしょうが、その「球団弱体化」に大成功した人物が次に行ったのは「球団消滅」でした。多くのファンが反対し、選手によるストも行われながら、計画は達成。伝統ある球団がさらに潰れてしまいました。しかし、両球団の主力クラスを集めたにも関わらず、プレーオフ進出にほど遠い球団となっています。
 そうやって「副業」で不評をかいつつ、本業は着実に成長。関係したファンドで日銀総裁を儲けさせるなど、自らの地盤も強化しています。
 まさしく「願い事をかなえるためなら、何をやってもいい」という感覚で「ブレーブス・取り」を行い、そこを足がかりに地位を上げていったわけです。
 そういうわけで、この「ブレーブス・取り」と「願い事のためなら・・・」という宣伝文句は非常に印象に残りました。作品のほうはよく分からないのですが、「願い事のためなら何でもやる人」が実在の人物のように幸せになる話ではない事を願っています。

2006年07月10日 23:58