2006年06月06日

統合効果

[ 交通 ]

 村上ファンドの騒動もあり、意外にあっけなく、阪急による阪神の株式公開買い付け(TOB)の成立がほぼ確定。「阪急阪神グループ」が誕生する事がかなり確実になりました。
 というわけで、同じく大阪と神戸を結んでいる二つの私鉄が一つのグループになるわけです。これについては、「統合する意味が分からない」みたいな報道が見られます。まあ、普通はそう考えるところでしょう。
 しかし、私にはこの二つの私鉄の統合にはちょっとした感慨があります。それは、今から26年前の11歳の夏の事でした。私は当時、兵庫県西宮市の阪急沿線にある苦楽園口という所に住んでいました。夏と言えば、同じ西宮市内で甲子園高校野球全国大会があります。ある時、この高校野球の外野席は無料で観戦できる、という情報を得ました。「TVでもやっているあの高校野球がタダで!」と驚き喜び、その夏は甲子園に通い詰めました。

 しかし、入場料はタダですが、交通費はそうはいきません。苦楽園口から甲子園まではわずか7駅・6.5kmなのですが、途中で阪急から阪神に乗り換えねばならないため、運賃が割高になるのです。現在の運賃ですと片道子供160円。阪急だけで同じ距離を載るなら90円ですから、ほぼ倍かかります。しかも毎日のように行くのですから、当時の小学生の小遣いでは、この差額はかなりの「大金」でした。そのため、境界の今津駅で切符を買い直すたびに「この二つの鉄道が同じだったら」と思ったものでした。
 そのうち、節約のためわざわざ3kmくらい歩いて阪神の駅まで行ったり、ついには「甲子園まで歩く」という荒技まで敢行しました。我ながら、暑い夏の盛りによくやったものだと思います。私にとってそれほど大きい「阪急と阪神の違い」でした。
 というわけで、私にとって、「阪急と阪神の統合効果」というのは個人的にはかなり大きいものがあります。もっとも、同じグループになっても名前は変わらないわけですから、この統合を機に苦楽園口から甲子園までの運賃が子供90円に値下げする可能性は低そうですが・・・。

2006年06月06日 23:52