2006年05月09日

交流戦開幕

[ 野球 ]

 2年目となる交流戦が開幕しました。時折小雨の降る甲子園では、いきなり昨年の日本シリーズの組み合わせであるタイガース対マリーンズ戦がありました。タイガースのユニフォームはかつてのビジターの復刻版。当然ながら甲子園の公式戦では初登場です。
 先発はオクスプリング投手とバーン投手。1回裏、いきなり赤星選手が内野安打で出てすかさず盗塁し、さらに暴投で三塁に進みます。続くシーツ選手の右前に落ちそうな打球はベニー選手がスライディングキャッチで好捕。ところが、内野から追っていった塀内選手がそこに激突。結局犠飛となってタイガースが先制した上に、ベニー選手は負傷退場になってしまいました。骨には異常がないものの、抜糸まで10日という重傷でした。マリーンズは踏んだり蹴ったりです。
 さらにバーン投手は、シーツ選手と今岡選手にソロを打たれ、さらに5回はオクスプリング投手の二塁打を足がかりに4点目を失って降板となってしまいました。
 一方、オクスプリング投手に5回まで1安打に抑えられていたマリーンズ打線ですが、6回、投手交代のからみでこの回から打席に入った井上選手の安打をきっかけに、西岡選手・今江選手と3連打して1点を返します。さらに無死1・2塁と一発出れば同点でしたが、福浦選手が倒れます。続く大松選手が四球を選んで2死満塁としますが、ここからタイガースは「一人一殺」の継投。フランコ選手が能見投手に、里崎選手が金沢投手に打ち取られます。

 続く7回表、タイガースは今季防御率0点台のダーウィン投手が上がりますが、いきなり塀内選手の膝に死球。これで塀内選手は交代になってしまいました。1死後に失策があって1・3塁となり、続く西岡選手がダーウィン投手のナックルを巧く右翼線に落とし、適時二塁打となって2点目を挙げ、2点差に迫ります。さらに今江選手が歩いて、2イニング連続の満塁に。長打が出れば逆転というところで中軸を迎えます。しかし、福浦選手が三振し、大松選手も当たりは良かったものの遊撃正面のライナーに倒れまたもや3人残塁。開幕直後の「満塁であと一本が出ない」が復活してしまいました。
 一方、5回途中からの加藤投手は適時打は打たれたものの2試合連続の好投。さらに三番手の内投手も7回は0点に抑えますが、8回にタイガース中軸打線に捕まり、フェンスに達するような長打を3本浴び、ダメ押しの3点を失いました。
 そして打線は8回は昨年は交流戦・日本シリーズとも打ち込んだ藤川投手に連続三振を含む三者凡退に抑えられ、9回は久保田投手に対し、2死から西岡選手が安打するものの、最後は今江選手が抑えられ、7対2でタイガースが勝ちました。
 マリーンズはこれで4連敗で貯金ゼロに。昨年の交流戦も「雨の敵地で敗戦」から始まって最後は優勝したのですが、ここのところ、投打とも冴えないだけに心配です。一方、タイガースは2位浮上。首位との差を少しでも詰めてほしいものですが、当然ながらマリーンズに負けて欲しくはありません。やはり交流戦のこのカードは見ていて複雑です。観客数は4万3千9百人ほどでした。

 札幌のファイターズ対ドラゴンズはリー投手と川上投手が先発。2回裏に1死から稲葉選手が安打で出塁し、続く新庄選手の適時二塁打でファイターズが先制します。ドラゴンズは4回に追いついて6回に逆転しますが、7回裏に稲葉選手に2試合連続の6号ソロが出てファイターズが追いつきます。川上投手はその失点した時以外は完璧な投球。9回を投げて3安打無四球。最後は三者連続三振でしたが、数少ない安打がいずれも得点に絡んでしまいました。一方、ドラゴンズ打線は先発のリー投手、さらには武田久投手・マイケル中村投手相手に9回まで合計10安打4四球とファイターズの4倍以上の走者を出しますが、要所で一本が出ず、好投の川上投手を援護できません。
 そして2対2で迎えた延長10回表、先頭のアレックス選手がこの日3本目の安打で出塁。この勝ち越し機にドラゴンズは「ピンチバンター」の川相選手を起用。ところが、この回から登板の建山投手は、バントを警戒するあまり、肘にぶつけて、無死1・2塁になります。ところが、「ピンチバンター」第2弾の渡辺選手の一塁前のバントを小笠原選手がダッシュして三塁封殺。さらに一塁転送して併殺となります。
 そしてその裏、ドラゴンズは岩瀬投手を投入します。ところがファイターズは1死から今日2安打2得点の稲葉選手が中前に本日3本目・チーム4本目の安打を放って出塁します。すると、続く新庄選手も一・二塁間を抜きます。続く打者は9回から登場の「抑え捕手」の中嶋選手。二塁ベース近くに詰まった当たりを放ち、井端選手が飛びつくものの、中前に抜けて満塁になります。ここでファイターズは代打に田中幸雄選手を起用。こちらも鋭い当たりではないものの、二遊間を抜け、サヨナラ安打となりました。お立ち台に立った田中幸選手は、「サヨナラの場面と気づかなかった」と発言。その無心もしくは二千本安打への執念が産んだサヨナラ打だったのかもしれません。観客数は1万8百人ほどでした。

 神宮のスワローズ対ライオンズはグラマン投手と石井一投手が先発。2回にラロッカ選手の8号2ランでスワローズが先制し、さらに1死満塁から青木選手の2号満塁本塁打で一気に6点を先制します。しかし、大量点に気が緩んだか、石井一投手は直後の3回表に細川選手の2号2ランなどで2点差に迫ります。スワローズは3回にラロッカ選手の2打席連続の9号ソロ、さらに5回は3打席連続の10号3ランで突き放しますが、取った直後に同じだけ投手陣が失点し、結局2点差から開きません。しかしその後は継投陣がともに抑え、結局そのまま10対8でスワローズが勝っています。観客数は1万2千7百人ほどでした。
 福岡のホークス対カープは新垣投手と黒田投手が先発。昨年は黒田投手に2敗を喫したホークスですが、今日は5回に山崎選手の犠飛で先制し、6回には江川選手の2点適時打も出ます。一方の新垣投手は5回まで完璧な投球。終盤少し安打されましたが、9回を4安打無四球・94球で今季初完封で6勝目。打線も8回にソロ2本でダメ押しし、5対0で快勝しました。ホークスは同率首位に立っています。2万4千1百人ほどでした。
 横浜のベイスターズ対イーグルスは三浦投手と一場投手が先発。ベイスターズが序盤で一場投手を攻略して3回で5点。一方、三浦投手は8回を2失点に抑え、通算100勝を挙げました。観客数は9千4百人ほどでした。
 神戸の合併球団対読売はデイビー投手とパウエル投手の先発で読売が勝ったようです。観客数は2万3百人ほどでした。

 ところで、今日、プレーオフについての両リーグの案が出ました。パリーグは現状のプレーオフを、セリーグは優勝はリーグ1位とし、異なるリーグの1位と2位が「たすきがけ」でプレーオフを行い、その勝者が日本シリーズを行う、という案を出しました。私としてはセの案に全面的に賛成です。年によっては、片方のリーグの2位が、もう一方のリーグ1位球団より強い、という年もあるかもしれません。実際問題として、短期決戦とはいえ、昨年の日本シリーズはパリーグ2番目の勝率のマリーンズがセリーグ1位のタイガースを圧倒しました。
 このセリーグ案について、2年ほど前に辞意を表明したくせにまだ居座っている根来なる輩が「(セの案だと)日本シリーズが日本一を決めるのではなくて、オープン試合のようになってしまう。付加価値が落ちれば、(機構の財源である)収入が落ちる」と言ったそうです。そんなに「同一リーグでの日本シリーズ」が嫌だったら、2年前の「一リーグ騒動」の時にもっとその事を主張すべきでしょう。今更、何を寝ぼけた事を言っているのでしょうか。
 だいたい、仮に「同一リーグ球団での日本シリーズ」が実現したら、その新鮮さで盛り上がり、付加価値はむしろ上がるのではないでしょうか。また「オープン試合(オープン戦の事か?)」などとぬかしていますが、どんな組み合わせになろうと、日本一を賭けた試合を、春先の調整のような感覚でプレーする選手などいるわけがありません。相変らず、選手の心など何一つ分かっていない輩です。もっとも、選手の心を少しでも分かっていれば、未だにコミッショナーに居座ったりするわけがないのですが。
 野球音痴の戯言など相手にせず、ぜひともこのセリーグ案でやりたいものです。個人的には、プレーオフは1位チームの2勝アドバンテージの4勝先取制(もしくは1勝アドバンテージの3勝先取制)で、二つのカードを交互に開催する、という形がいいのではと考えています。

 他にも、交流戦がらみで印象深い記事がいくつか見受けられました。上の根来発言に次いで呆れたのは、読売の近藤ヘッドコーチの「ここはよく知っているんだ。18連敗を止めた球場だからな」。ロッテ監督だった98年に「地獄」の18連敗をストップさせたのが、神戸。と言ったとか。なんか止めた功績を自慢しているようですが、その前日に神戸で「日本記録」を達成させた采配についてはどう思っているのでしょうか。既に何度も書いていますが、この年のマリーンズは打率リーグ1位で防御率リーグ2位な上に、得失点差は得点が上回りながら最下位。それに対して当然のごとくクビになった近藤監督(当時)の捨て台詞は「もっと強いチームでやりたかった」です。
 一方、嬉しく思ったニュースも二つほどありました。ライオンズの松坂投手は「襟騒動」において、新庄選手に賛同する発言をし、また、奇抜なパフォーマンス予告もしていました。期待したいものです。
 また、交流戦に備えて打撃練習をしたファイターズ投手陣ですが、打撃投手を務めた佐藤義則コーチの球にバットを折られた選手がいたとか。現在52歳で、投手相手の練習とはいえ、現役選手のバットをへし折るのですから、凄いものです。さすがは40歳11ヶ月でノーヒットノーランを達成しただけの事はあります。

2006年05月09日 23:56