2006年03月27日

早いほどいい?

 中教審が小学5年からの英語必修化を提言したそうです。理由が「グローバル化の進展」と「既に小学校の『総合的学習』などで『英語活動』が行われているから」だそうです。
 この二つの「理由」だけでも、突っ込みどころが少なからずありますが、とりあえず「既に『英語活動』なるものがあるなら、別に必修化しなくてもいいじゃないか」とはいの一番に思いました。
 どうやら、「英語力」とやらを身につけるには早く教え込めば教え込めばいい、という発想のようです。しかし、個人的経験からすると、いささか疑問があります。
 大学受験時、好きでもないけど必要にかられて英語を勉強した結果、「入試に出る英文を、頭の中で和訳しないで意味を解する」程度の「英語力」はつきました。しかし、大学に入ってそのような「英語力」を必要としなくなってからは、その能力は落ちる一方、卒業する頃には、「この単語、4年前は知っていたんだけどな・・・」という、「アルジャーノンに花束を」の後半部分みたいな感じになっていました。

 ネットを初めてから、たまに原文のサイトを見るのですが、当然ながら意味がわからず、翻訳ページの世話になるありさま。たまに、「もし大学入学時からインターネットがあれば、ここまで英語力は落ちなかっただろうな・・・」などと思うことがあります。
 もちろん、これは英語に限りません。数学・理科・日本史なども同様です。必要になれば懸命に覚えるし、使わなければ忘れてしまいます。そう考えると、「小学5年からの英語教育」なるものが、どのくらい「効果」があるのか、はなはだ疑問になるわけです。
 あと、個人的には「グローバル化」が進めば進むほど、むしろまず自国語をきっちり習得し、その後も、特定言語に隔たらず、興味のあるものおよびそれぞれに必要な外国語を学ぶ必要があると思うのですが・・・。もっとも、一部の人々の間では「グローバル化=政治・軍事のみならず経済的にもアメリカの属国になること」と考えている節があるようなので、あのような「提言」が出るのも仕方ないのかもしれませんが・・・。

2006年03月27日 22:48