2005年10月18日

頓知よりも印象に残る事

 スーパーを歩いていると、棚に水飴がありました。それを見て、「一休さん」のある頓知話を思い出しました。「夜中に隠れて水飴を食べる和尚さんが、その水飴を見つけた小坊主達に『これは毒だ』とミエミエの嘘をつく。そこで一休さんは、水飴を食べるためにわざと寺の備品を壊して、水飴を食べ、帰ってきた和尚さんに『死んでお詫びをするために毒を食べています』と言った」というやつです。頓知の痛快感などまるでない、嘘と欲にまみれた俗俗しい話です。とても寺が舞台とは思えません。
 その話を思い出すと同時に、「夜に一人で壺に入っている水飴をむさぼり食べている初老の男性」というものがいかに不自然であるか、という事に気づきました。もしかしたら、和尚さんは病気を患っていたのでしょうか。となると、一見、バカ話のようなこの逸話に、やや深刻な意味が含まれているかも、などと考えてしまいました。

2005年10月18日 23:57