2005年06月22日

冷静に見れば

 駅の観光案内のポスターを見ていたら、「皆鶴姫」という源義経がらみの伝説が書かれていました。京都で修行していた義経が兵法の師匠の門外不出の秘伝書を入手するために、その娘・皆鶴姫に取り入る、という話です。
 ここからは、色々と伝承が変わるのですが、とにかく義経は秘伝書を手に入れた後は皆鶴姫を捨てます。一方、皆鶴姫は「親に追放された」「義経を追った」の二つの説があるものの、いずれも宮城の海岸で一人寂しくこの世を去ります。伝説によっては「それを知った義経は悲しんだ」などとオチをつけていたりしますが、結局のところ、どの話を見ても「義経は秘伝書を手に入れるために彼女を利用し、その後捨てた」となっています。これって「男」が国民的ヒーロー(?)の義経だからこそ、「悲劇」みたいになっていますが、どう考えても「秘伝書入手のために女をだまし、その後あっさり捨てた」という腐れ外道の話でしかありません。
 「同じ四本足だから、鹿が通れるなら馬も通れる」や、梶原景時との「逆櫓論争」もそうですが、どうも「義経だから正しい」という前提(?)のもと、道理と反する結論が導き出されている「伝説」があると、以前から思っていました。この「皆鶴姫」は今日はじめて知ったのですが、その最たるものと言えそうです。

2005年06月22日 23:56