2009年02月22日

「坊ちゃん」変遷史?

 昨日から松山に滞在しています。行くたびに道後温泉に行っているのですが、例年はどちらかと言うと地元向けの「椿の湯」という共同浴場に行っていました。しかし、今年は諸事情により、道後温泉の象徴である「本館」に行くことになりました。
 風呂から上がって時間があったので廊下を見ていたら、「過去の『坊ちゃん』映像化一覧」が貼られていました。1950年代から70年代にかけて、6回くらい映像化されていたとの事でした。ちなみに最後の映像化は1977年で、その時の主演は中村雅俊さんだそうです。
 歴代の配役表を見ていて、面白い事に気づきました。当然ながら、一番最初に出てくるのは「坊ちゃん」役の俳優です。問題は、二番目に出てくる「副主役」ですが、当初は、「山嵐」だったり「清」だったりしました。まあ、いずれも小説通りです。

 しかし、ある時期から二番目の座は「マドンナ」が占めるようになりました。小説では「うらなり」の婚約者ながら、「赤シャツ」の権力と財力に目が眩んで乗換える、という「悪女」的な存在なわけです。
 しかしながら、作中で唯一の若い女性であるゆえに、副主役に「抜擢」されたのかと思われます。映像は見たことがありませんが、おそらく、キャラの位置づけも相当変わったのでしょう。
 以前から、松山に行くたびに、至る所で見られるこの「坊ちゃんとマドンナのカップリング」に強い違和感をおぼえていました。小説だけ見ていたら、かなりありえない組み合わせで、さしずめ、「めぞん一刻」で五代さんと明日菜さんのツーショットを看板絵にするようなものだと思っていました。
 その謎が、この「歴代映像キャスティング」を見ることにより、解決できました。さすがは日本を代表する温泉建造物なだけのことはある、などと妙な視点で感心してしまいました。

2009年02月22日 19:41