2008年12月24日

優先順位

 社会で使える英語力を身につけて欲しい、などという理由で、文部科学省が英語の授業を英語で行なうという学習指導要領案を発表したそうです。
 高校時代、英語の授業の半分も分からなかった身としては、そんな事されたら、ますます授業についていけなくなる人が増えるだろうな、とまず最初に思いました。
 それだけ、「ついていけない生徒」を出してまで、一部の生徒の英語力を高めたいのでしょうか。いくら政治・経済・軍事において「アメリカの属国」とバカにされているからといって、そこまで国策で「属国化」を推進したいのでしょうか。

 だいたい、優先度から言えば、英語より日本語のほうがずっと上のはずです。別に社会に出た時点で英語が使えなくても、そこから覚えればいいわけです。仕事において必要があれば、人はそれを習得しようとするものです。
 実際、高校の授業についていけなかった私も、受験という必要に迫られて猛勉強した結果、高校三年の冬には、教科書に出る英文は、日本語訳しないでも理解できる程度にはなりました。もちろん、必要がなくなった後はあっという間に元に戻りましたが、必要がないため、何ら不便は感じていません。
 だいたい、「日本語をきちんと勉強しないと大変な事になる」という事は、首相の「日本語力」を見れば分かるとしたものです。そのような現状も無視して、教師にも生徒にも負担となり、しかも「属国心の高揚」以外には役に立たない事をなぜするのか、理解に苦しみます。
 まあ、ある意味、文部科学省らしい、と言えなくはないのですが・・・。

2008年12月24日 00:26