2008年11月23日

一見すごそうだが、極めて当然の研究結果

 将棋のプロが詰将棋を解いている時に、脳のどの部分が活発化しているか、という研究の発表が行なわれたそうです。
 大脳生理学に関する知識は全くありません。しかしながら、そこで出た結論が(プロが詰将棋を解くときに活発化される)部分は、自宅から駅まで道順を意識せずに歩くとき、曲がる角を判断するような場合に活発になる領域。棋士は、詰将棋の判断が日常のレベルになっているようだ。だったのにはなんだかな、と思ってしまいました。
 そりゃ日頃から将棋をやっているのですから、将棋に関する判断が、日常のレベルになっているのは当然と言えるでしょう。複雑な実験の結果、至極当然の結論が導かれた、という感じです。

 もっとも、だからと言って、この研究の意義を否定するというわけではありません。最近は、あらゆる分野において、「ゲーム脳理論」などの胡散臭い「疑似科学」が氾濫し、報道を通じて増幅されています。そういう事を考えると、「当然と思われる事を証明する」という事の意義はあります。
 とはいえ、どうせ調べるなら、より意義のある事を調べてほしいものだ、とは思います。たとえば、同じプロ棋士の脳を調べるのなら、「園遊会で珍発言をする元名人」などといった、奇妙な思考の原因を解明のほうが面白そうです。
 首相を筆頭に、とんでもない発言が横行する昨今ですから、こちらを解明すれば、より価値の高い研究になるのでは、などと思ってしまいました。

2008年11月23日 23:33