2008年11月18日

出迎え

 15年前に実家でミニチュアシュナウザーを飼い始めました。ほぼ入れ違いに私はアパート暮らしを始めたので、一緒に暮らしたのは一ヶ月弱でした。
 しかしながら、たまに実家に顔を出すと、彼女は私の事を熱烈歓迎してくれました。姿をみるやいなや、走ってやってきて、後ろ足で立って前足で私を掴もうとするのです。月に一度会うか会わないか、という関係であるにもかかわらず、来る度に走り寄ってくれました。
 小さい体でしたが、あふれるような元気さがあり、散歩に連れて行くと、三倍くらい大きな犬相手にも吠えかけたりしていました。空き巣が窓ガラスを切って侵入しようとしたところ、吠えて撃退した事もありました。

 ただ、ここ数年は、めっきりと元気がなくなりました。ミニチュアシュナウザーの平均寿命は12~14歳だそうなので、老化によるものだったのでしょう。だんだんと動きが少なくなり、家に来ても寝ている事が多くなりました。
 たまたま先週末に近くに来たついでに実家に顔を出したのですが、最初は、寝床をのぞいても、布団にくるまったまま動かず、一瞬、いないのかと思ったほどでした。抱いてみたのですが、すっかり軽くなっていたのに驚きました。目も鼻もきかないとの事で、私が誰だかも分からないようでした。
 そして、昨晩、息を引き取ったという連絡がありました。家族の話によると、その夜には小さいながらも鳴き声が聞こえたとの事でした。特に病気などで苦しんでいたわけではないとの事なので、それは、皆への挨拶だったのかもしれないな、とも思いました。長いようで短かった15年間でしたが、私および家族と付き合ってくれた事を、心より感謝しています。
 もう実家に行っても出迎えてもらえる事は二度とありません。そう思うと、改めて寂しさを感じました。

2008年11月18日 00:14