2008年11月16日

アジアシリーズ、決勝は日台ライオンズ決戦に

 アジアシリーズ三日目第一試合の埼玉対中国・天津ライオンズは許投手が先発。初回に共に2点ずつとりあうも、そこから埼玉打線が爆発。シリーズ最多記録となる16得点を挙げます。そして3回途中から登板した継投陣が天津打線を無安打に抑え、16対2で7回コールド勝ちしました。
 ただ、この時点では、仮に次の韓国・SKワイバーンズ対台湾・統一ライオンズで仮に1対0で統一ライオンズが勝ったりすると、3チームが「三すくみ」の形で2勝1敗で並んだ際に適用される「失点率」の差で、埼玉は決勝進出できません。

 その、第二試合の、ワイバーンズ対統一ライオンズ戦を観戦に行きました。韓国-台湾戦は、普段見ることのできない国の試合および応援をまとめて見れるので、お得感があります。
 一塁側が統一ライオンズで、三塁側がワイバーンズだったのですが、客の入りは一塁側のほうが多く、それもあって三塁側に座りました。昨年、予選で三連勝したワイバーンズのほうが盛り上がっていると予想していたので、少々意外でした。
 ただ、もちろん韓国から来ているファンの応援はかなり熱がこもっていました。日本ではすっかり定番化した「耳」のヘアバンドをつけている女性ファンもいました。中には、チームマスコットのついたヘアバンドをつけている人もいました。
 このカードは昨年も行なわれ、その時はワイバーンズがコールド勝ちしています。というわけで、今回もワイバーンズ有利かと予想していました。
 1回裏、ワイバーンズ先発の蔡秉龍投手は、二安打と暴投で2・3塁としますが、何とか抑えます。すると、直後の2回表に李晋映選手のソロで、ワイバーンズが先制します。
 続く3回にワイバーンズは1死から安打で出た走者が盗塁と悪送球で三塁まで進むも後続が倒れ、続く4回も先頭打者が安打しながら、併殺で三人に終わるなど、追加点機を活かせません。
 すると4回裏、2・3回は三人で抑えてきた蔡秉龍投手が、連打と牽制悪送球で無死1・3塁とします。そして1死後に適時打が出て同点に追いつくと、続く七番の劉芙豪選手に勝ち越し3ランが出ると、続く高志綱選手にも連続本塁打が出て、この回一挙5点を挙げました。また、この時点で、失点率の関係で埼玉の決勝進出が決まりました。
 直後の5回表にワイバーンズは先頭打者が四球を選ぶも併殺で、またまた無死の走者を活かせません。そしてその裏、統一ライオンズにまたもや本塁打が出て、6対1となり、蔡秉龍投手をKOしました。

 ところで、試合と同様に楽しみにしていた応援ですが、ともにチアスティックが主体でした。ただ、ワイバーンズのチアスティックがチームと同じ赤であるのに対し、統一ライオンズはチームカラーは緑と橙の「湘南色」であるにも関わらず、チアスティックは青と白でした。一方で、橙のメガホンを持って応援している人もいたので、かなりカラフルでした。
 応援の動きも、統一ライオンズはメガホンダンスみたいな事をしたり、10メートル四方の旗で応援席を覆う「小規模版ビッグフラッグ」をやるなど、派手さが目立ちました。対するワイバーンズはどちらかと言うと、基本的な感じでした。
 あと、投手が頻繁に牽制すると、ワイバーンズ応援団からブーイングが飛びます。するとすかさず、統一ライオンズ応援団から投手に声援が飛ぶ、という場面が少なからずありました。

 試合のほうは、6回にワイバーンズの先頭打者が安打で出ると、続く打者も二塁打で続きます。ここで、趙東和選手の当たりを中堅手が飛び込むも後ろにそれ、2点適時三塁打となり、6対3と3点差になります。ワイバーンズとしては、たとえ負けても、2点差以内なら決勝進出が出来るので、実質的には1点差になったような形になりました。
 しかし、なおも続く無死3塁で、三番以降の中軸が犠飛すら打てず、失点率で上回る事ができません。
 しかしその裏は三者凡退に抑えると、7回からは初日に好救援した李承浩投手をワイバーンズは起用します。ところが、四死球で無死1・2塁とすると、ここはあっさりと交代。この早めの継投が成功し、ここを0点に抑えます。
 そして直後の8回表、ここで統一ライオンズは守備固めで中堅手を代えます。ところが、先頭打者の放った中堅への当たりを、その許峰賓選手がグラブに当てながら捕りきれずに三塁打に。さらに続く打者が適時打を放ってついに2点差とし、失点率で下回りました。
 ところがその裏、前の回の無死1・2塁を凌いだ鄭大炫投手が先頭打者に安打されます。さらに、続く陽森選手の打席の内角球が死球の判定に。球の跳ね返り具合からはファウルのように見え、当然ワイバーンズも抗議しますが、覆りません。なお、抗議の間に統一ライオンズファンからブーイングが出ると、ワイバーンズファンがブーイング返しをする、という一幕もありました。
 その直後、劉芙豪選手がこの試合二本目かつ6打点目となる3ランを左翼席に叩き込みます。さらに二塁打が出ると、五点差ながら犠打で進めるという辛い作戦を統一ライオンズはしてきます。これが功を奏し、その後に適時打が出て、ついに10対4となりました。
 そして9回にはアルヴァラード投手が登板し、先頭打者を歩かせるも、続く打者を併殺に打ち取るなど、三人で抑えて試合終了。統一ライオンズが決勝進出を決めました。
 ワイバーンズは投手陣が本塁打を四本浴びた上に、打線も先頭打者を五回出しながら、四併殺で好機を活かせないと、投打共にかなり不本意な内容で、まさかの予選敗退になりました。
 昨年のコールドの借りを返して決勝進出した統一ライオンズですが、初戦の中国・天津ライオンズ相手の苦戦が嘘のような、豪快な野球でした。
 これで、決勝は昨年の「龍対決」に続き、今年は「獅子対決」となったわけです。埼玉としては、涌井投手の出来に全てが掛かかるのでは、と思われます。率直に言って、ワイバーンズが出てくるよりも、やりやすいとは思いますが、果たしてどうなるのでしょうか。
 ところで、統一ライオンズは球団名に「セブンイレブン」をつけているのですが、仮にこちらが優勝した場合、日本のセブンイレブンはセールをやるのでしょうか。しょうもないことですが、少々気になっています。

2008年11月16日 00:15