2008年10月12日

ロス疑惑

 三浦和義さんが、ロサンゼルスの市警本部内にある留置所で亡くなった、というニュースを見ました。当局の発表によると、「Tシャツで首つり自殺をした」との事です。
 直前まで報じられた談話を見ていると、闘う気満々という感じで、かなりの不自然さをおぼえました。ましてや、ロサンゼルス市警といえば、かつて何人もの警官が無抵抗の市民に集団暴行を加えたという国際的に有名な事件を起こしたにも関わらず、それに関する裁判で都合良く編集したビデオを「証拠」とし、無罪を主張したという「前科」があります。

 にも関わらず、この事件に関する報道は、何も疑いなく「自殺」としています。そればかりか、サイパンから移送されている時に三浦さんが被っていた帽子を取り上げ、それが「軽い別れの挨拶を意味する言葉」であることから「自殺をほのめかしていた」などという記事を書いている始末です。
 論理性のかけらもないトンデモ記事としか言いようがありません。そんなものが自殺の証拠(?)なら、他人に「じゃあね」と言って別れた後に死体で発見された人は、全て自殺という事になってしまいます。
 既に日本の最高裁で三浦さんの無罪が確定している「元夫人殺人事件」などより、今回の「自殺」のほうがよほど疑わしい「ロス疑惑」だと思いました。
 なお、今回の「自殺」に際して、「ロス疑惑」の経緯を年表風にした記事がいくつか見受けられました。しかしながら、その中で、「一連の報道に対し、三浦さんが数百件の訴訟を起こし、八割方勝訴した」などという事は、一言も書かれていません。
 それを伏せる一方で、当時の憶測報道と同レベルの記事を相変らず垂れ流すところに、商業マスコミの無反省ぶりと進歩のなさを改めて感じさせられました。

2008年10月12日 23:58