2008年05月29日

老人とバイキング

 朝、ホテル一階で朝食を取ろうとすると、エレベーター前で四人の老人と一緒になりました。いずれも、杖をついていて、雰囲気からすると平均年齢80歳以上、という感じでした。しかし、元気は良く、楽しそうに会話していました。
 そしてバイキング形式の朝食会場で食べ物を取っていると、しばらくしてその四人が会場に来ました。最初、店の人は「大変すみませんが、ここではご自身で料理を取っていただく方式になっております」と言っていました。
 しかしながら、杖をついて、腰も曲がっている人たちにそのような事ができるわけがありません。結局、店の人が注文を聞きながら皿に取っていました。本来の業務でないにも関わらず、料理を選ぶときの店員さんの話し方は非常に感じがよく、聞いている自分も気分がよくなったほどでした。

 杖をついた老人だから、店のルールと違っていても、食べ物を店員が取る、というのは当然の事です。それの当然の事を嬉しく思えたのは、もちろん、店員さんの対応が良かったからというのが一番です。
 ただ、それとは別に、その「当然の事」が当然でなくなりつつある風潮があり、それと違った風景を見たから喜べたのかな、とも思いました。なにしろ、国家が率先して老人が暮らしにくい世の中を作ろうとしているわけですから・・・。
 そうやって考えると喜んでばかりもいられないわけですが、とりあえず朝からいい光景を見れたのはいい事でした。

2008年05月29日 00:35