2008年05月10日

担任教師

 小学校の時は転校が多く、あわせて八人の担任につきました。また、中学では毎年担任が替わりました。一方、高校では1年から2年の時にクラス替えがあったものの、2年から3年の間にはありませんでした。そのため、2年の時の担任が3年の時も引き続き、私にとって最長かつ唯一の「二年続けて担任教師」となりました。
 しかしながら、その担任教師に対するいい思い出は全くありません。ただでさえ文系志望でさほど数学に興味がなかったのに加え、その教師の授業は分かりにくく、最初の数ヶ月で聞く気がなくなりました。したがって、どんな授業をしていたかの記憶もありません。

 ところが、大学受験の目前、その教師は、ホームルームで今でも忘れ得ぬ、すごい発言をしました。確か、大学への出願書類か何かの話をしていたのですが、彼は「君たちが、大学受験に失敗しようと、私は痛くもかゆくもない」と全員に向けて言い放ったのです。
 確かに、私のような、授業も聞かないような生徒の合否などは「痛くもかゆくもない」のは当然かもしれません。しかしながら、他には真面目に彼の授業を真剣に聞いていた人もいたはずです。にも関わらず、この発言は何なのか、と思いました。
 そういう事もあり、多くの生徒は担任を慕っていませんでした。卒業式の日、教室で卒業証書を担任から渡されたのですが、その時、担任に向けて「アイスクリームパンチ」を飛ばした人がいました。普段は真面目な人だっただけに、よほどその教師が嫌いだったのでしょう。また、それに対して、彼の行動をとがめる人はいませんでした。
 さて、先日、毎年一回発行される、高校の同窓会誌が送られてきました。そこに、人物往来欄があったのですが、そこにその教師の訃報が掲載されていました。さすがに、20年もたった今は、かつての「暴言」に対する怒りの感情などは消えています。とはいえ、大変失礼かつ残念な事ですが、その訃報に対して、感慨のようなものを持つことはできませんでした。

2008年05月10日 23:54