2008年02月19日

現実より思い入れを優先した記事

 3月20日に札幌で行われる、パリーグ開幕の北海道-千葉が即日完売の見通しだそうです。これに関して、少なからぬスポーツ紙が中田効果という言葉をつかい、あたかも、中田翔選手が加入したからこのような売れ行きになった、という記事を書いています。
 しかし、球団広報はあくまでも昨季リーグ2連覇したのと中田クンが入ったことで注目されているのではという談話を発表しています。いくらこのキャンプでスポーツ紙が中田選手の一挙一動を大袈裟に取り上げているとはいえ、球団の談話を無視して「中田効果」という見出しを作るというのは、いかがなものでしょうか。

 実際、札幌の集客数は年を追って増えています。一昨年の開幕戦で、当時在籍していた新庄選手が「満員プロジェクト」を打ち上げました。当初はその企画があった日のみ満員、という感じでした。
 しかし、一昨年ファイターズは頂点に立ち、昨年も日本シリーズこそ敗れたものの、パリーグ連覇を果たしています。そして同時に、着実な営業努力で地元に根付いているわけです。その結果、観客動員はさらに増え、「満員プロジェクト」などを行わなくとも、重要な試合は満員になるのが普通となっています。
 もちろん、中田選手の話題性を軽視する気はありません。しかしながら、現時点で開幕一軍が確定しているわけでもないのです。果たして本当に前売り券を買った人の多くが「中田選手>球団およびV2戦士達」なのでしょうか。もしそうならば、それを裏付けるデータを提示するべきです。そのような情報を記載して初めて「中田効果」と理由付けできるのではないでしょうか。
 率直に言って、これらの記事には「自分たちが中田選手を連日取り上げているから、開幕戦が即日完売になった」というような記事を書く人間の思い上がりみたいなものまで感じました。もうすこしまともな取材をしてほしいものです。

2008年02月19日 22:27