2008年02月06日

異形のキャラクターグッズ

 電車に乗っていたら、母親と幼い兄弟が乗ってきました。兄弟はお揃いの帽子をかぶっており、そこには「おばけ」の絵がついていました。せなけいこさんの絵本に出てくるやつです。
 このおばけ、白いひとだまに目と口と手がついたという、単純な意匠です。ところが、その見かけによらず、とんでもない性格と能力を持っています。ちょっと「悪いこと」をしている子供や犬猫を、超能力で「おばけ」にして連れ去ってしまうのです。

 特に、物心がついたばかりの頃に読んだ「きれいなはこ」というのは凄い話でした。
 子犬と子猫が「きれいなはこ」奪い合って喧嘩し、互いに、噛みついたり引っ掻いたりします。するとその時、箱が空いて「おばけ」が登場。いきなり、「友達に噛みつく口は、大きくなあれ、友達を引っ掻く(以下略)」と呪いをかけ、二人を異形のものにしていしまいます。二人が「これでは、友達と遊べない」と言うと、「ならば、おばけにしてあげよう」と言います。そして、最後の頁には、おばけにされた犬猫が、空を飛んでいる、という絵で終わります。あまりにも救われないオチです。
 幼児心に、「なんで他愛もない喧嘩で、人生(?)が終わらなければならないのだ」と、恐怖心をおぼえました。もしかしたら、生まれて初めてのトラウマだったかもしれません。
 確かに、見た目だけなら可愛い「おばけ」なのかもしれません。しかし、あの残虐な性格と能力を考えると、あんなのが描かれている帽子を子供にかぶせる、というのは、個人的には理解しがたい事でした。

2008年02月06日 00:47