2007年10月13日

ボクシング騒動雑感

 先週行われたボクシングの世界戦で、マスコミが煽っている「ボクシング一家」の次男である選手が敗北した上に、反則を連発した、という事で騒動となっています。私は、試合があることを当日夕方に知り、しかも、長男が出ているものだと勘違いしていた程度の感心しかありませんでした。したがって、試合内容や反則についての論議は今ひとつよくわかりません。
 ただ、今回の騒動のニュースを見て、今更ながら、今回試合をした選手が、あまりボクシングが好きではなさそう、という事を知りました。まあ、あの父親の目立ちぶりから、子供の才能を知ってボクシングをやらせた、というよりは、父親の「夢」をかなえるために、子供達をボクシング漬けにしていた、という事は何も知らない私でも分かってはいましたが・・・。

 そうやって考えると、反則を指示したとする長男の選手を含め、この兄弟がなんか可哀想に思えてきました。彼らとしては、親の期待に応えようと頑張っているだけなわけです。不評を買っている言動にせよ、親にあわせているようにも思えます。そう考えると、親の期待に応えようといい学校や会社を目指して頑張っている若い人たちとさほど変わりがありません。
 その一方で、何年も前からこの兄弟を大袈裟に取り上げてきた報道機関には改めて不快感をおぼえました。本来なら、取り上げるのは世界タイトルを獲得してからでもいいはずです。それを、過剰に取り上げた結果、今に至っているわけですが、少なくとも、それが兄弟にとって幸せをもたらせているとは思えません。
 世の中には、たまにこのような「仕込み親」がいます。あのような取り上げ方をしていれば、それらの親も「自分もいつかはマスコミに」と思い、より子供を熱心に仕込む事でしょう。それが子供にとって幸せになるとは思いがたいです。
 そういう悲劇を生まないためにも、報道する人には考えてほしい、と言いたいところです。しかしながら、そんなものを求める事自体、いまの商業マスコミ相手には無理だということが分かっています。それだけに、よりやりきれないものを感じました。

2007年10月13日 23:09