2007年02月23日

記憶から消去していた具

 私の大好物の一つに水炊きがあります。20歳の時に博多に旅行した際には、「本場」という事で、一人で店に入って水炊きを食べた、などという事もありました。しかし、今の生活では諸事情により、家で食べる機会はありません。また、食事や飲みに行っても、鍋物を用意する店はありますが、それ中に水炊きはありません。というわけですっかり「好きなのに幻の味」となっていました。
 ところが本日、他に入ろうとした店が5店ほど満員で、やっと入った飲み屋の壁を見たら、大きく「水炊き」と書いてありました。カウンター席だったのですが、あえて注文。10年ぶりになるかもしれない再会を楽しみにしていました。ところが、出てきた鍋には、鶏肉や白菜と同じくらいの量のキノコが多種入っていました。キノコを見るだけで食欲が減退する身としては、「これではキノコ炊きだ・・・」一気にげんなりしてしまいました。そして、きのこをよけながら、ちまちまと鶏肉と白菜をつついていました。
 家に帰って、水炊きは違うだろう、と思ってネットで検索してみたら、意外にも大半のレシピにはキノコが複数種類入っていました。10年近く食べていない間に、水炊きの良かった部分だけが美化されて記憶に残ってしまったのでしょうか。
 次に水炊きを食べる機会があったら、迷わず「キノコ抜きで」と注釈つきで注文しよう、と心底思ったほど残念な「キノコ炊き」でした。

2007年02月23日 00:23