2007年01月29日

「高い見識」から出た本音

 厚生労働大臣が、女性の事を「子供を産む機械」呼ばわりしました。その発言を受けての首相の談話は、厚労相を評して「高い見識を持った方だ」でした。
 これが追い打ちを意図した嫌味だったらなかなかのセンスと言えるかもしれません。しかしながら、ご本人は純粋に彼をかばうつもりでそのような発言をしたようです。それこそ「呆れるほど高い見識」とでも言えるでしょう。
 率直に言って、厚労相発言のニュースを見たとき、特に驚きませんでした。自民党政府の高官が、国民に対してそのように思っていることは以前から十二分に承知しています。ついでに言えば、労働者に対しては「財界に収益を挙げるための機械」とでも認識しているのでしょう。さらに言えば、彼らがそのようはひんしゅくを買うような「本音」を隠せるような能力すら持ち合わせていない事も、これまた十二分に承知しています。
 とはいえ、その発言者に対し「高い見識の持ち主」とフォローする首相の神経まではちょっと予想がつきませんでした。
 ちなみに、かなり昔に読んだ永井豪さんの漫画で、悪の組織が女性を捕らえて身動きできなくして「悪の戦闘員を産む機械」として扱い、「奴らは女の幸せを満喫しているのだ」などと哄笑する場面がありました。さすがの永井氏も、数十年後にその悪役と同じ神経を持った閣僚が登場するとは夢にも思わなかったことでしょうね。

2007年01月29日 23:48