2006年11月12日

アジアシリーズ、台湾のベアーズが決勝進出

[ 野球 ]

 アジアシリーズ三日目。既に決勝進出を決めているファイターズは中国選抜と対戦。先発は金村投手と張力投手が先発。初回に稲葉選手の適時打などであっさり2点を先制したファイターズは、2回にはボークで、3回には高橋選手の2ランで追加点を挙げ、早くも5対0とします。
 一方、金村投手は本来の出来ではありませんでしたが、3回に1死1・2塁から右前打を打たれたものの、稲葉選手の好返球で本塁で走者をアウトにするという好守もあり、得点を許しません。
 この調子なら早々とコールドかとも思いましたが、ファイターズは早い回に小笠原選手と稲葉選手を下げます。そして、中国の継投陣の好投もあり、6対0のまま試合は終盤に入ります。

 ファイターズは6回から伊藤投手・トーマス投手・江尻投手・岡島投手と、本シリーズ未登板の投手を次々と投入。主力を下げてあえてコールドを避けたような事もあったかもしれません。最後に登板した岡島選手がソロを打たれたものの、他は無難に抑え、6対1でファイターズが勝っています。観客数は1万2千3百人ほどでした。

 夜は、決勝進出をかけて台湾のベアーズと韓国のサムスン=ライオンズが対戦。昨年の韓国-台湾戦が面白かった事と、決勝のチケットを買いに行った時、この試合のフィールドシートが空いていた事もあり、こちらを観戦に行きました。
 空席の関係で韓国側に座って観戦。こちらは同じチームなので昨年と同じ応援でした。一方、台湾のほうはチームが違うこともあり、応援風景も色々と異なります。昨年印象に残った中国太鼓の派手な音はありませんでした。その代わりに、日本のライオンズ応援団が好機の時にやる、いわゆる「真弓おどり」をやったりしていました。また、守備の時にはチアスティックで「K」のマークを作るファンや、主砲の陳金峰選手が登場すると、その背番号の「52」をかたどったフレーム(?)を上げて応援するファンなどもいました。
 あと、ともにチアガールがいて色々と踊っていたのですが、ともに途中での「お色直し」がありました。また、サムスン=ライオンズはラッキーセブンでチェッカーズの「ジュリアにハートブレーク」を流していました。さらに続いて「キューティーハニー」も流していましたが、こちらは韓国語になっていました。
 試合のほうは、ベアーズが呉偲佑投手でサムスン=ライオンズが前タイガースのブラウン投手が先発でした。1回表に先頭打者が安打し、さらに2四球で2死満塁としますが、ここは呉投手が抑え、サムスン=ライオンズは先制機を逃します。その後は両先発が3回まで抑えます。
 しかし4回、1死から金翰秀選手が二塁打で出塁すると、続く梁埈赫選手が2ランを放ち、サムスン=ライオンズが先制します。しかしその裏、ここまで1安打のみだったブラウン選手が先頭打者に安打されると、続く林智勝選手が二塁打を放ち、無死2・3塁の好機を作って主砲の陳金峰選手が登場。ここで勝負に行きましたが、陳選手は詰まりながらも中前に落とし、二者がかえって、即座にベアーズが追いつきます。
 サムスン=ライオンズは5回2死から四球を出した時点でブラウン投手を降板。まあ、昨年も先発しても内容の善し悪しに関わらず早い降板が多かったので、これには驚きませんでした。そして二番手の林昌勇投手が登板しますが、5回は抑えたものの、6回1死から先ほど同点の足がかりとなる二塁打を放った林智勝選手が、打った瞬間に分かる、左翼席上にある広告の上を直撃する本塁打を放ち、勝ち越します。
 ベアーズは6回途中から継投に入り、7回まで抑え、1点リードでむかえた8回にモレル投手を起用します。そのモレル投手は簡単に二死を取ったものの、そこから連続四球を出します。昨日も連続四球から逆転を許しましたが、今日は続く金在傑選手に初球を打たせて打ち取ります。
 その裏、サムスン=ライオンズは負けている局面ながら、呉昇桓投手を投入。さらに前の攻撃で代走を二人出した関係で大幅にオーダーを入れ替えます。そして何と、指名打者を解除し、次の回が9番からであるにも関わらず、呉投手を4番に入れます。それに驚いたのか、日本人の球審がうまく交代を伝達できずに試合が止まる、という国際試合ならでは(?)のアクシデントがありました。
 投球まで待たされた呉投手は先頭打者にファウルで粘られますが、結局三振に。続く二人も打ち取り、アジア新である47セーブを挙げた貫禄を見せます。なお、呉投手が登板した時、三塁側のファンから、ハングル加え、「難攻不落」と漢字まで書かれた横断幕がかかげられていました。
 そして9回、1死から1番の朴漢伊選手が、この試合3本目となる安打で出塁します。しかし、内野ゴロで二塁まで進んだものの、3番の朴鎮萬の緩いゴロをモレル投手が好捕して一塁に送って試合終了。ベアーズが決勝進出を決めました。観客数は6千4百人ほどでした。
 サムスン=ライオンズは6回が終わった所で四番打者が怪我なのか急遽交代するなど、不運もあったようです。一方、ベアーズは昨日は負けたものの、接戦での強さが目立ちました。
 明日の決勝、先発投手の出来次第という事もありますが、再び接戦になるかもしれません。
 昨年はマリーンズ戦のみ3試合観戦したのですが、いずれも中盤で優位に立ち、決勝の終盤はちょっとヒヤヒヤしたものの、基本的には安心して観戦していました。それに対し、今日は別にどちらを応援しているわけではないものの、勝てば明日の決勝、負ければ終了、という状況もあり、両チームの選手およびファンの勝利への意欲がよく伝わってくる試合でした。また、終了後の監督インタビューで、ベアーズの洪監督の返答を、通訳の人が中国語で話し、監督にたしなめられる、という一幕もありました。通訳氏も相当嬉しかったのでしょう。
 なお、初めての観戦となったフィールドシートですが、ファウルボールが飛び込んだのは一度だけ。また、フェンス際にボールが来ることもなく、当然ながら選手が近くに来ることもありませんでした。しかしながら、左前打を放った時は、ボールが弾んで人工芝が波打つ所が見れました。また、ベアーズの石志偉選手がライナーを好捕した時は、グラブの中にボールが入ったさまも見れるなど、フィールドシートならではの臨場感を味わうこともできました。
 マリンをはじめ、日本の公式戦ではなかなか席を取ることができませんですが、ぜひまたここで観戦したいものです。

2006年11月12日 00:23