2006年10月12日

ファイターズ、25年ぶりパリーグ制覇

[ 野球 ]

 プレーオフ第2ステージ第2戦のファイターズ対ホークスは八木投手と斉藤和投手が先発。八木投手は9月26日以来の登板なのに対し、斉藤和投手は第1ステージ第1戦以来の中四日での登板です。
 1回裏、1死からファイターズは田中賢選手が安打するも、続く小笠原選手が併殺に打ち取られます。しかし、2回表にホークスも先頭の松中選手が安打するも、続くズレータ選手が併殺に打ち取られる、という展開になります。
 八木投手は走者は出しますが、3回の1死2塁は牽制死で、5回にはズレータ選手の盗塁がグラブめがけてスライディングという判定でアウトにになるまど、5回まで全て三人で終わらせます。6回にも先頭打者に安打され、犠打で進まれますが、そこから連続三振で得点を許しません。
 一方、斉藤和投手も中四日を感じさせられない完璧な投球。6回まで4安打されるも、いずれも後続を断ちます。そして7・8回は三者凡退と、ファイターズに二塁を踏ませない投球を見せます。

 八木投手も7回以降は無安打に抑え、野手陣の援護もあり、三塁を踏ませない投球で9回を3安打1四球で無失点と抑えます。
 そして迎えた9回裏、ここまで無四球だった斉藤和投手は、先頭の森本選手にまさかのストレートの四球。この試合初の四球および無死の走者を出します。そして続く田中賢選手が犠打を決め、初めてファイターズは走者を二塁に進めます。
 続く小笠原選手は敬遠で1・2塁になりますが、このサヨナラ機でセギノール選手は三振となり、2死1・2塁で稲葉選手を迎えます。
 その2球目を稲葉選手が弾き返します。斉藤和投手のグラブの下を抜けますが、二塁の仲沢選手が好捕し、ベースカバーの川崎選手にトスしますが、小笠原選手が滑り込んで間一髪セーフになります。この瞬間を見ていた時は「二死満塁で新庄選手か、すごい場面だな」などと思っていたのですが、二塁走者の森本選手は俊足を飛ばして三塁を回っていました。気づいた川崎選手も本塁に送球しますが間に合わず、そのままホームイン。昨年も、似たような局面で一気に二塁から生還していましたがまさかこの大舞台でも決めるとは思いませんでした。これでファイターズが1対0でサヨナラ勝ちし、1981年以来となる25年ぶりの優勝を劇的な形で決めました。観客数は4万2千3百人ほどでした。

 これでホークスは3年連続でのプレーオフ第2ステージ敗退となっています。試合終了直後、喜びにわくファイターズの選手と対照的に、斉藤和投手はマウンドに座り込み、松中選手は左翼の守備位置で立ちつくしていました。そのまま斉藤和投手は、両脇を抱えられてベンチに戻っていました。今季レギュラーシーズンで投手四冠という活躍をし、プレーオフでも17回2/3を投げて2点しか取られない好投を見せたにも関わらず、この結果では無理もないでしょう。今回のプレーオフは一貫してファイターズを応援していました。しかしながら、この斉藤和投手をはじめとするホークス選手の姿にはもの悲しいものを感じました。
 一方、ファイターズは連続の完投勝利。自慢の継投陣を使わずに勝ったのですから、ある意味、手の内を出し尽くさないでのプレーオフ制覇というわけで、その強さを感じさせられました。また、移転3年目にして北海道での初優勝。それまで球団のなかった所に、あれだけのファンを集め、そして頂点に立ったのですから、素晴らしいと思います。日本シリーズでもぜひ多くの北海道のファンを喜ばせてほしいものです。
 試合後の会見では、一位通過時と同様に、マシーアス選手は常に質問を受けた人の後ろに立っていました。そして今季二度目のビールかけが実現。新庄選手や森本選手などが、水中眼鏡の代わりにスキー用ゴーグルをかけていたのが、北海道の球団を意識しているのだろうか、などと思いました。
 取材のスカパーの人はまだ手慣れていない感じで、一昨日のドラゴンズの時とはかなりの違いを感じました。また、その手慣れないインタビューの中で、建山投手が捕手陣の綿密な研究に礼を言ったり、最後を決めた稲葉選手が「これで満塁で新庄さんだと思った」などと言うなど、興味深い談話が少なからずありました。

 甲子園のタイガース対ドラゴンズは安藤投手とマルティネス投手が先発。2回に安藤投手の適時打など5安打で2点を先制したタイガースが、5回には本日が最後の試合となる片岡選手の適時打で追加点を挙げます。さらに片岡選手は7回のプロ最終打席でも二塁打を放ち、有終の美を飾っています。安藤投手は7回5安打無四球1失点で10勝目、以下はウイリアムス投手と藤川投手の継投で5対1で勝ったタイガースが本拠地最終戦を白星で飾っています。観客数は4万7千5百人ほどでした。
 神宮のスワローズ対ベイスターズは高井投手と秦投手が先発。高井投手は制球が悪く、初回に四球で出した走者を暴投三つと独り相撲で先制を許します。さらに3回にいきなりの連続四球を出すなど満塁にすると、プロ野球タイ記録となるこの試合四つ目の暴投で追加点を献上。さらに犠飛を打たれた後、吉村選手に26号3ランを喫してこの回一挙5失点でKOされます。スワローズは投手陣が9四死球に4暴投、野手も2失策と自滅のような形で計11失点。終盤に追い上げるも、11対5でベイスターズが勝っています。観客数は9千4百人ほどでした。

2006年10月12日 23:38