2006年06月12日

延期試合1試合の結果と読売の抗議文問題について

[ 野球 ]

 昨日の延期試合として唯一行われた横浜のベイスターズ対合併球団は秦投手と本柳投手が先発。1回表、いきなり先頭打者から三連打して無死満塁としますが、併殺もあって無得点。それがケチのつきはじめか、合併球団打線は塁上を賑わしますが、得点は4回に日高選手の適時打で挙げた1点のみに終わります。
 対照的にベイスターズは初回に初回に金城選手、2回に古木選手とソロ2本で効率よく得点します。両先発投手とも5回前後で降板したのですが、ベイスターズの秦投手が5回を投げて7安打2四球1失点なのに対し、合併球団の本柳投手は5回2/3を3安打1四球で2失点でした。
 さらに8回に鶴岡選手の代打本塁打も出て3対1。9回はクルーン投手が先頭の相川選手にフェンス直撃の二塁打を打たれたものの、後を三人で抑え、逃げ切っています。ところでこの9回表、その無死2塁で合併球団は本日2安打1打点の日高選手の代打に、来日後13打数で未だに無安打だったグラボースキー選手を起用し、打率通りの結果に終わりました。相変らず不思議な采配です。
 昨日の中止で急遽決まった試合ということもあり、観客数は4967人と今季公式戦で最少でした。それもあってか、ヒーローインタビューで鶴岡選手は、ビジターにも関わらず、「明日の千葉にも足を運んでください」と言っていました。

 さて、昨日の小関選手の「ベース踏み忘れ」について、読売球団が「ビデオを詳細に見た結果、小関選手は三塁を踏んでいた」と誤審として講義しました。原監督に至っては、審判本人をけなすのみならず、再試合を要求したい。バレンタイン監督なら私の気持ちも伝わると思うという談話まで残しています。
 これを「誤審」と読売球団が判断したVTRは、テレビニュースの録画映像だったそうです。それがどの局の映像だかわかりません。ちなみに私は昨日・本日とのフジテレビ739のプロ野球ニュースでVTRを見ました。ただ、その映像はあくまでも「本塁打を打たれてうなだれる投手」にピントを当てて写したもので、肝心の小関選手が三塁ベースを通過した瞬間については、ちょうど投手の陰および土に隠れ、その時に足がどこについたかも分かりません。したがって、私個人が映像を見た感想は、「この映像では判断のしようがない」でした。
 まさかこの映像で読売球団が判断したわけではないでしょう。となると、地上波中継していたテレビ東京のものなのか、日テレあたりのニュース用映像を見ての判断なのでしょう。しかし、いずれにせよ、その映像がどのようなアングルから誰にピントを当てて撮ったもので、さらにどのような形で「触塁」を写しているのかぜひ知りたいものです。
 ところが、この映像を見た本日のプロ野球ニュース解説陣は、昨日球場で中継していた斉藤明夫氏をはじめ、谷沢氏・金村氏も「踏んでいるように見える」と言っていました。ただ、面白いのは金村氏で「踏んでいるように見えます。でもなぜ小関選手は激しく抗議をしなかったのでしょうか」というような複雑な事を言っていました。いずれにせよ、昨日は同じ映像を見て、佐々木氏・弘田氏は「踏んでいない」、大久保氏が「踏んでいる」と言っていたのと、えらい違いです。だいたい、仮にも今日になって三氏があの映像を見て「踏んでいる」という統一見解を出せるのならば、小関選手が三塁を踏んだと確信できる部分を拡大するなり、印をつけるなりして、「誤審の証拠」を示すべきでしょう。
 失礼ながら、この一連の流れを見ると、「読売球団様が仰せだから」という理由で、何らかの指示のもとに行われた「解説者の判定」としか思えません。
 また、審判の位置が不適切だった、みたいな事を解説者陣は言っていましたが、これも同様で、「審判が三塁ベースに見える位置にいなかった」という映像を出して説明してほしかったものです。

 この件についての今江選手のブログを読むと、「子供の頃から教わった基本を実践した結果」として踏み忘れについて書いています。もし仮に今江選手に「踏んでいるのに踏み忘れをアピールした」という過去があるなら「嘘アピール」の疑惑が生じるかもしれません。しかし、少なくとも私は、そういう場面を見たこともないですし、聞いたこともありません。これらを併せて考えれば、今江選手は踏み忘れを目撃したからアピールした、と考えるのが普通でしょう。
 あと、原監督の談話ですが、「バレンタイン監督なら分かってくれる」はあまりにも失礼すぎます。つまり、これは、今江選手が虚偽のアピールをしたと決めつけて、バレンタイン監督にそれを認めろと言っているのも同然だからです。昨日、この事件の直後に「チーム全体のミスだ」と小関選手をかばった発言をしたと聞いたときはちょっと好感を持ったのですが、やはり、所詮は読売の監督だったようです。
 どんな理由であれ、誤審と思って抗議するのは当然の権利ですから、それ自体は批判はしません。しかし、そのような監督の談話および、評論家たちの態度(もしくは、評論家がそのように言わねばならない状況を作ったTV局)には、相変わらずの読売的傲慢さおよび、報道側の読売球団中心主義を感じ、非常に不快でした。

2006年06月12日 23:54