2006年05月30日

蜘蛛の糸?

[ 交通 ]

 朝、駅に行ったら、いきなり飯田橋の人身事故で総武線が遅れて東西線との直通運転も休止というアナウンスが。昨日の行き帰りに続き、3回連続の事故遅延です。
 ただ、幕張本郷駅で見た限りは混雑もたいした事がなく、総武線も普通に動いていました。それを見て「どうせ西船橋で乗り換える事だし、そのまま乗るか」と考えたのですが、これが大失敗。徐行運転でやっと西船橋に着いたのはいいのですが、乗り換えのための階段は、前方・後方とも大混雑。階段を上がろうとしている人たちの行列がピクリとも動きません。
 そこで、すぐ近くにあったエレベーターを使うことにしました。こちらは階段と違って、人が動いているので、数回待てば必ず上に行けます。

 というわけで、しばらく前方の様子を見ていました。皆、早く上に行こうとしているために、少しでも早く乗ろうとします。しかし、当然ながら積載量を越えるため、動きません。ところが、最後に乗った数人はすぐには降りないのです。言うまでもなく、その人が降りればエレベーターは動き、しばらくして戻ってきた時は、その人は確実に乗れます。したがって、早く降りればその分早く上がれますし、中で頑張れば頑張るほど上がれる時間は遅くなります。にも関わらず、満員ブザーが鳴っているにも関わらず、その数人はしばらく動きません。
 数回待って、やっと中に入れた(というよりは後ろからの圧力で押し込まれた)のですが、やはり満員ブザーが。当然私はすぐ降りましたが、私より後から入った二人ほどはやはりなかなか降りません。1分くらい粘って(?)諦めて降りました。
 さて、次は確実に乗れます。と言っても降りてくる人がいるので、まずその人たちの道を空けねばなりません。後ろからの圧力に耐えつつ、必死にその道を維持したのですが、最後のほうから降りて来た輩が、私の腕をつかんで「お前が早く行きすぎるから降りられないんだ」などというわけの分からないいいがかりをつけてきました。もちろん、こんな低能を相手にして、時間を無駄にするわけにもいかないし、だいたい、周囲の人に迷惑がかかります。そこで、「後ろから押されているだけです。だいたい、こんなところで迷惑でしょう」と落ち着いて返答したら、あっさり手を離しました。
 そして何とか上がって乗り換えましたが、東西線も事故の影響が波及して徐行運転。普段なら乗ってから江戸川を渡るまで30分かからないのに、今日は倍の1時間かかりました。
 西船橋駅で混雑にもまれながら、ふと思い出したのが芥川龍之介の「蜘蛛の糸」でした。満員ブザーが鳴っても降りない輩と混雑にキレた輩を二人合わせるとちょうど蜘蛛の糸に登っている「カンダタ」になる感じです。いずれもちょっと考えれば、自分がいかに無意味かつ愚かな事をやっているか、分かるとしたものです。それが、「未来永劫の地獄の苦しみが続く事に対する恐怖」ならともかく、「ホームで身動きが取れない」くらいの焦りと不快感で、簡単に異常化するわけです。これが電車遅延でなくて大災害だったらどうなってしまうのかと思い、非常に不安になりました。

2006年05月30日 23:52