2006年03月19日

WBC準決勝、韓国に快勝して決勝進出

[ 野球 ]

 というわけで、巡り合わせがよく、3勝3敗で進出した準決勝。相手はここまで6戦全勝の韓国です。なお、現地昼に行われたもう一組の準決勝、キューバ対ドミニカ共和国は、3対1でキューバが勝ち、決勝進出を決めています。
 さて、試合のほうは、上原投手と、ドジャースの徐在応投手が先発。日本はこれまでと打順をかえ、イチロー選手を三番にし、一番に青木選手を、六番に今江選手を入れました。
 初回、2死からイチロー選手が安打で出塁し、すかさず盗塁しますが、松中選手が倒れ、先制できません。その裏、上原投手は、三日前の試合で決勝打を打たれた李鍾範選手に二塁打を打たれますが、続く李選手との「読売対決」を制するなど、後続を断ってこちらも無失点の立ち上がりとなります。
 その後も、三日前の試合と同様に投手戦に、3回には1死から川崎選手が二塁打を放ち、続く青木選手が四球を選びますが、西岡選手が三塁正面にライナーを打ち、併殺に。まあ、犠打の苦手な西岡選手ですから、この攻撃は仕方ないでしょう。続く4回も、先頭のイチロー選手が内野安打から再び盗塁して無死2塁としますが、やはり後続がありません。
 しかし、上原投手も好投。中国戦2失点、アメリカ戦1失点、韓国戦無失点と出るたびに内容が上がっていきます。また、4回には先ほど長打を放っている李鍾範選手のフェンス際のファウルフライを多村選手が好捕する美技もありました。結局、7回を投げて韓国打線を3安打無四球に抑えます。

 そのまま0対0でむかえた7回表、韓国は6回から登板し、その回ではイチロー選手も抑えた全炳斗選手が続投。それに対し、先頭の松中選手が右中間を抜きます。そして二塁にヘッドスライディングし、ベースを叩いて気合いを見せます。
 ここで韓国は、ロッキーズの金炳賢投手を投入。この好機に五番の多村選手に対するサインは犠打。もともと経験がない上に、この大会でも一度失敗があります。ここでも、1-2から見逃せばボールという球にバットを引くのが遅れて2-2に。仕方なくやったバスターも、ボール球を振らされて三振します。
 これを見ていた時は、「苦手なんだからバントをさせなければ、四球もあり、次の今江選手は犠打が得意だから1死2・3塁になっていたかもしれないのに・・・」などと思っていました。
 しかし、ここで日本は、一次予選から前試合まで通算2安打で、この試合からスタメン落ちした福留選手を代打に起用。これがズバリ命中し、福留選手は右翼席に飛び込む2ランを放ちます。これに動揺したのか金炳賢投手は続く小笠原選手の初球をぶつけます。さらに暴投で二塁に進んだ後、続く里崎選手が、得意の左中間にエンタイトル二塁打を放ち、1点を追加します。
 ここで韓国はレッズの奉重根投手が登板。対する日本は、川崎選手の進塁打で2死3塁とした後、200安打の青木選手の代打に宮本選手を起用するという、代表チームならではの選手起用。
 対して韓国も、この回四人目となる右の孫敏漢投手を投入しますが、この勝負は宮本選手の勝ち。左翼前に適時打が出て4点目。さらに、西岡選手が右前に落とした後、イチロー選手が左前に適時打。今大会初の「猛打賞」が貴重なダメ押し点となり、この回、一挙5点を挙げました。この土壇場に来て、王監督の采配がものの見事に的中したわけです。
 さらに8回、六番手の裵英洙投手が登板。対して、先頭の多村選手が左中間スタンドにソロを放ち、6対0とします。続く福留選手が打ち取られたところで、雨のために試合が中断します。
 長時間の中断でしたが、何とか再開。8回裏は藪田投手が1死球1安打をされましたが0点に抑え、9回裏は大塚投手が登板。先頭の李選手を三振に打ち取った後に四球を出しましたが、続く二人を打ち取り、6対0で勝利。韓国戦2連敗の借りを返すとともに、決勝進出を決めました。

 今日については、打者の起用が作ったように的中したと言えるでしょう。その一方、大差の8回で、ここまで未登板の久保田投手・馬原投手を投げさせなかった事は、ちょっと気になりました。これが、決勝で響かなければいいのですが・・・。
 この試合では大勝しましたが、このシリーズを通じて韓国には1勝2敗、この負け越しは厳然たる事実です。実際、韓国チームは、攻守とも、素晴らしい内容で、強さを感じました。特に、アメリカを7対3で下したという事実は大きいでしょう。もちろん、層の差はまだあると思います。しかし、代表チームに関しては、「向こう30年」どころか、すでに対等と言ってもいいかもしれません。
 その強い韓国のためにも、明後日の決勝戦はぜひともキューバに勝ってほしいものです。

2006年03月19日 16:05