2006年02月15日

権威と風格が作る錯覚

 ある人が、同音異義語について辞書で引いていました。自分では違和感があるものの、辞書にはその用例で正しいと書かれている、と不思議がっています。その様子を見たところ、その辞書の古さが気になりました。辞書ですから丈夫に作られているはずなのですが、表紙はかなりボロボロです。
 以前、似たような外観の広辞苑を「なんか違和感があるけど広辞苑に載っているのだから・・・」と無理矢理納得して使っていた事がありました。しかしある日、「どうしてもこの用例はおかしい」と思って奥付を確認したら、自分の生まれた年が記載されてあり、驚き呆れた事があります。そこで、もしやと思ってその辞書の奥付を見たら、「第36版発行・昭和48年」などと書いてありました。30年以上経てば、言葉によっては使われ方が変わるのも当然です。
 ただでさえ権威のある辞書に「古びた表紙」という「風格」がそなわってしまうので、つい勘違いしてしまうのでしょうか。後から振り返れば「古びた辞書→最新の言葉には対応していない」という事は当たり前のはずなのですが・・・。しかし、かつての私も、古びた広辞苑の奥付を見ようと思い立つまで、使い出してから1年くらいかかりました。まあ、このような事は、辞書に限った話ではありませんが・・・。

2006年02月15日 23:08