2005年10月28日

僅かな成功事例の影の数多い失敗

 週刊文春の広告を見ていたら、「週刊誌 爆騰銘柄 に騙されるな!株投資シロウトがはまる10のワナ」という文字が目に入りました。一瞬、「この雑誌にしては・・・」と好意的に思ったのですが、続く見出しには「初心者主婦が100万円を3,000万円にした」だの「学生が3億円稼いだ」だのと言った、「誰でも株で大儲けできるんだよ。さあ貴方も」的な「週刊誌に騙される」ようなのが並んでおり、「なんだ、結局同じじゃないか」と思い、一瞬とはいえ期待(?)した自分の不明を恥じました。
 私は投資に関する知識などありませんが、「政治的な特権でも持っていない限り、絶対に儲かる株など存在しないし、絶対に損をしない事もない」という事くらいは分かります。また、「万が一本当に絶対に儲かる方法を入手したのなら、それを原稿にするよりは、誰にも知らせずに自分で投資したほうが得だ」という事も分かります。
 この「株」を「宝くじ」に置き換えれば比較的わかりやすいかもしれません。どこかに必ず儲かる人がいるのは事実でしょうが、それは、成功者よりずっと多い、損をした人の存在によって成り立っているのです。
 それにしても、この雑誌の見出しに限らず、経済新聞の記事などにも言える事ですが、世の中にはさまざまな事実が存在するのにも関わらず、「素人の株投資」に関しては、なぜか極めて稀な成功事例ばかりが掲載されます。もちろん、情報産業としての広告取りと密接に関わっているからだという事はわかります。とはいえ、もう少し金を払って買っている読者の側に立ってもバチは当たらないのではないでしょうか。

2005年10月28日 23:48