2005年04月20日

Microsoft Officeの割高感

 マイクソロフトの説明会で、「Microsoft Officeは高いか」と担当者が尋ねたところ、ほとんどの参加者が手を挙げたという話がありました。上の記事では、同程度の機能を持つ上に、デフォルトでPDF作成機能を持つ上に無料のOpenOfficeの影響を指摘しています。確かにそれもあると思います。ただ、Microsoft Officeに割高感を覚える理由はもう一つあると思います。

 Windows95が出た頃のパソコンは、メーカー製パソコンのほとんどは、「Word95+Excel95」モデルと「一太郎+Lotus123」モデルからプリインストールのOfficeソフトを選択する形になっていました。そこから現在のMicrosoft Officeの独占形態に至るまでに、Microsoft社は様々な手段をとりました。一般的には「OSとの抱き合わせ」が有名ですが、もう一つ、「超安価のバージョンアップ版」もかなりの影響力を持っていたのでは、と思います。
 これは、Word+Excelの95を持っていると、1万5千円ほどで、Word・Excelのみならず、PowerPointとAccessまでついて「97」にアップグレードできる、というものでした。当時ライバルだったジャストシステムの同様のソフト群「一太郎Office8」に対抗するための価格設定でした。その後、この戦いに圧勝したMicrosoftは、それからはアップグレード料金を値上げしました。7年ほど前に1万5千円でアップグレードしたOffice一式を、いま2003にアップグレードしようとすると、倍以上の3万2千円ほどかかります。さまざまな物の値が下がりつづけるこの業界で、このような値の動きをした商品はかなり珍しいでしょう。
 というわけで、冒頭の「高値感」はライバルよりもむしろ自社の値上げにあるのではないでしょうか。それを払拭するためは、次に出すMicrosoft Officeを、OpenOfficeと張り合えるような価格でアップグレードできるようにするしかなさそうです。

2005年04月20日 23:38