2005年03月27日

26得点対27人

[ 野球 ]

 マリーンズ対イーグルスは開幕2戦目という事もあり、試合前に1974年の日本一メンバー+金田元監督の10人で始球式セレモニーを開催。当時のユニフォームを着た9人が佐々木信也氏に紹介されてそれぞれの守備位置につき、ボールまわしをします。そして金田氏からそのボールを手渡された村田兆司氏が始球式をする、という趣向でした。そして村田氏は全力投球。スコアボードには140km/hの表示が出ました。打席の関川選手は、その速球がミットに収まった後、思い出したように空振りをしていました。
 さて、試合のほうは渡辺俊介投手と藤崎投手が先発。マリーンズのユニは昨年のサンデーユニを基調にした「誠」でした。渡辺投手は相変わらずのアンダースローからの緩急をつけた投球で初回を三人で片付けます。おそらく、始球式より速い球は投げていなかったでしょう。
 イーグルス先発の藤崎投手は、昨年バファローズから戦力外通告を受けてイーグルスにテスト入団した選手ですが、オープン戦での好投が認められてこの開幕2戦目の先発を任せられたとか。お嬢さんの名前が10年ほど前に流行ったゲームのキャラと同姓同名という事が一部では有名です。
 その藤崎投手に対し、初回にいきなり小坂選手に内野安打で出塁され、初球に盗塁。そして西岡選手の適時三塁打であっさり先制。続く福浦選手の犠牲ファウルフライで2点目を取ります。しかし、後続は藤崎投手に抑えられました。

 渡辺投手は2回表も三者凡退で抑え、その裏のマリーンズの攻撃。パスクチ選手が安打で出塁し、また即座に盗塁を仕掛けます。これはアウトでしたが、続く橋本・今江両選手が連打で1死1・2塁に。そして1年の「浪人生活」を経て復帰した代田選手が打席に。やや緩い当たりのショートゴロを打ちます。普通なら併殺のところですが、自慢の俊足で1塁セーフ。これがとんでもない事の予兆になるとは、この時は誰も気づかなかったでしょう。
 藤崎投手は初回に2点取られたものの、その後はベニー・フランコ両選手を打ち取り、この回も普通なら0点でチェンジという内容です。しかし、ここで早くも田尾監督は有銘投手に交替します。この継投が大失敗。代わりはなに小坂選手が適時打で追加点。さらに西岡選手に3ランが出ます。これで6対0ですが、続く福浦選手も今期初安打を放ち、ベニー・フランコ両選手は連続四球。これで有銘選手は1死も取れずにKOされました。
 しかし三番手の小倉投手に対しても、代わりはなにパスクチ選手が来日初となる満塁本塁打を放ちます。さらに橋本選手四球の後、今江・代田選手が連続安打。代田選手は嬉しい復帰後初安打でした。さらに小坂・西岡選手にともにこの回二度目となる適時打が出て、終わってみればこの回、打者16人で11安打3四球。球団タイ記録となる1イニング11得点となりました。小坂選手と西岡選手は2回で早くも猛打賞達成です。これで試合は早くも決まってしまいました。

 続く3回もベニー選手の今期初安打となる本塁打で14点目。続く4回は毎回得点阻止要員(?)として、中継ぎエース格の福盛投手が登板して抑えられますが、5回から登板の徳元投手が四球を連発。5回は無安打で1点取り、6回にも4得点、7回は新外国人のマイエット投手に抑えられましたが、そのマイエット投手は8回に自滅。連続四死球で無死満塁とした後、連続適時打や本塁打などで7点を取り、合計26得点。1950年に「毎日オリオンズ」が達成した23点を55年ぶりの更新しました。ちなみに内訳は24安打14四死球ですから、いかに四死球が多かったか、という事でしょう。
 なお、2回表にサイクル安打に「あと二塁打」のリーチをかけた西岡選手は3連続凡退の後、8回の好機に適時打を打ちましたが、シングルだったためにサイクルはならずでした。ちなみに2回表の3本目の安打は、送球の間に二塁に行っており、当初TVには「二塁打」と表示されていました。あれを記録員が二塁打にしてくれれば、20歳でサイクル安打達成になっていただけに、惜しまれます。また、パスクチ選手も6回に「あと三塁打」のリーチ。こちらは次に三振した後、その次の打席で本塁打を放ち、こちらも記録達成はなりませんでした。余談ですが、こういう時に本塁を踏み忘れてアウトになったら「サイクルヒット達成」になるのでしょうか。
 一方、渡辺投手は四球と安打を一つずつ許すも、出塁した直後に併殺で打ち取り、いずれも三者凡退。その後も完全に抑え、1安打1四球。打者27人で片付け、26対0で完封しました。  といわけで、「歴史的大勝」を達成したマリーンズ。逆に言えば、二日で27得点3失点で1勝1敗なわけですから、効率は悪いわけです。明日、「打ち疲れの後遺症」が出なければ、と逆に心配になります。なお、観客数は2万4千ほどでした。

 所沢のライオンズ対合併球団は西口投手とJP投手が先発。JP投手は、昨年までバファローズにいたパウエル投手です。合併球団が2点勝ち越した裏、ライオンズ打線が4点取って逆転。ここでJP投手を諦めたのですが、続いて登板した中継ぎ4投手から5連打でこの回計9得点で10点目。その後、合併球団も反撃しましたが、結局11対7でライオンズが逃げ切りました。
 なお、観客数は1万2千人ほど。日本一球団が開幕の2連戦で計3万ちょっと、というのは寂しいものがあります。相手球団の不人気という問題もあるのでしょうが・・・。

 福岡のホークス対ファイターズは新垣投手とトーマス投手が先発。3回にファイターズが1点先制するも、その裏にホークスが2点取って逆転。その後、ファイターズは早めにトーマス投手を見切り、細かい継投でホークス打線の追加点を1点で抑えます。一方、新垣投手は7回まで何とか1点に抑えるものの、8回に三安打で満塁に。ここで岡本投手に交替しますが、ここも継投が裏目となり。高橋信選手に逆転満塁本塁打が出ます。
 これで決まったかと思ったのですが、9回裏に登板した横山投手が乱調。適時打・野手の失策・暴投で追いつかれてしまいました。そして11回裏には新外国人のカブレラ選手にサヨナラ打が出て、ホークスが連勝しました。
 観客数は3万2千3百人ほど。三塁側に若干の空席がありましたが、昨年なら4万5千と発表されそうな入り具合でした。

2005年03月27日 22:59