2005年02月07日

うんちく本の信用度

 地理関係のうんちく本を読むのが好きです。「山形県鶴岡市に『日本国』という地名がある」だの、「荒川区に荒川は流れていない」などといった、生活にも役に立たなければ、知っていても誰にも誉められないような知識を集めるのは、暇つぶしとして非常に楽しいものです。
 先日も、図書館でそのテの本を見つけ、反射的に借りました。「神田神保町2丁目の地番は、通りを隔てて奇数と偶数に分かれている」などと、これまた役に立たない知識を仕入れて喜んでいました。しかし、読んでいるうちに情報の粗さや論法の奇妙さが気になりました。たとえば、「越前国(今の石川県)(→正しくは福井県)」などという記載があったり、「北海道は本州より南にあった?」という見出しのオチが「北海道の最南端は本州の最北端よりちょっと南にある」だったりするのです。
 「地理の雑学」が主題なのに、旧国名と現地名との関係が間違っていたり、「どちらが北か南か」の論拠がこれでは、信用度はガタ落ちです。その記述を見た後は、「こんな情報があるのか」というより「この情報も本当なのかね」と思いながら読むようになってしまいました。
 そこが間違っていても困る人はいないような情報です。しかし、そのような情報を提供しているからこそ、その「情報」の内容は吟味に吟味を重ねてほしかった、と切に思いました。

2005年02月07日 23:11