2009年08月25日

進歩いろいろ

 派遣村がらみで厚生労働大臣が事実に基づかない暴言を吐いたそうです。そのニュースに関連づけられたmixiニュースを見ていたら、案の定「安易に派遣社員を選んだのだから、派遣村に行かざるを得ないのも自業自得だ」みたいな日記が多数ついていました。
 「派遣村」のニュースが出ると、必ずこの類の日記が大量につきます。まあ、「工作員」およびそれに煽られている人もいるのかもしれません。とはいえ、なぜそこまで誤解できるのか、と不思議でなりません。

 根本的に間違っているのは「好きで派遣社員になった」という部分です。まさか、派遣村にいた人が、年間休日130日で順調に勤めれば年収1千万になるような大企業の内定をもらいつつも、「より自由に働きたい」と言って派遣社員を選んだ、とでも思っているのでしょうか。
 さらに不可解なのは、派遣村の人は働かずに衣食住が保証されて楽をしている、みたいな感じで書いている事です。そんないいものだったら、少なからぬ会社員は、自ら進んで退職して派遣村に行っていたでしょう。その状態が幸せか不幸かを想像することすらできないのですから、呆れるよりありません。
 とはいえ、希望がないわけではありません。そのニュースと並んで、「公務員の給料を一律削減」みたいなニュースも出ていました。しばらく前までなら、情報産業の宣伝の影響で、「公務員は税金泥棒、減給大歓迎」みたいな反応が多数を占めていたでしょう。
 しかし、さすがに、公務員の給料が減ったところで、会社員が幸せになるわけではない。それどころか、私企業に勤めている人までとばっちりを受ける、という現実が理解されたのか、今回の減給には批判的な日記がほとんどでした。
 もちろん、批判の内容が、「それより先に議員の給料と人数を減らせ」であり、自公民および情報産業にとっての聖域である「政党助成金」には言及できないあたり、まだまだ、操られているという印象はぬぐえません。
 とはいえ、安易に公務員叩きに走っていた事を考えれば、少しはまともになったと思うべきでしょう。
 あまり楽観的に物事を考えない自分ですが、二つの反応を見て、「いつか『派遣叩き』をしていた人も、目が覚める時が来るかも」と希望的に考えることにしました。

2009年08月25日 23:58