2009年06月09日

売家

 たまに散歩する所にある家に万国旗がかざられていました。玄関を見ると、「築7年、夜景がきれいで、三人家族向き」などという看板が貼ってありました。
 最寄り駅から歩いて15分くらいのうえに、線路に面していて、上は高圧線、というかなり不便な環境です。また、「三人家族向き」の名に恥じず、窮屈な造りです。とはいえ、一戸建てですから、それなりの値段はします。換算してみたら、我がアパートの家賃30年分くらいの値段でした。

 中古での売値がそのくらいですから、建てたときにかかった額はそれを上回ることは間違いありません。ローンが残っている可能性もあります。
 好意的に考えれば、金が貯まってより立派な家を建てれるようになった、もしくは長期海外赴任の可能性もあります。しかし、この不況の中ですし、即座に頭に浮かんだのは手放さざるを得なくなったでした。
 この7年の間に、この小さい家でいくつかの物語があったのでしょう。そんな事を思いながら、見も知らぬ、この家の元オーナーの心境を色々考えてしまいました。

2009年06月09日 22:43