2009年04月02日

初めて存在価値を認める

経団連が資産運用に失敗して20億円損したというニュースがありました。
 投資に関する知識のない私は、何がどう失敗したために損失をしたかは分かりません。しかし、「日本財界の総本山」である団体が、投資に失敗して大損する、という事だけはよく分かりました。
 これまで、経団連およびその幹部の行なう「日本への提言」に共感することは一度もありませんでした。なにしろ、彼らの影響力が強い中で進められた日本の経済政策の結果とは、ろくなものではありません。僅かな成功者を生み出すために、その何千倍もの人々が不幸になる、という現状があるだけです。

 しかしながら、今回の件については、大いに経団連を評価しました。なにしろ、「総本山」が身をもって、「投資の怖さ」を示してくれたのです。
 前世紀末あたりから、財界の意向をくみ、国策として「貯蓄から投資へ」なる宣伝が行なわれました。郵便局での投信販売などが有名ですが、要は「株式市場がどんなものかよく分からない人にも株を買わせる」という事です。
 当然ながら、あのような激しい世界に「素人」が参入したら普通は負けます。特に、昨年の大不況のおかげで大きな損失を被った一般人は少なくないでしょう。
 これまで、そのような「被害者」が大きく扱われる事はありませんでした。しかし、「経済の総本山」が同じ目にあったというなら、状況も少しは変わるでしょう。 これで、無謀な投資で貴重な財産を失う人も減るかもしれません。
 そう考えると、世にも珍しい「経団連の社会貢献」と言えるかもしれません。私も、初めて、この団体の存在価値を評価しました。今後も同様の事を繰り返し、一般庶民の財産が無駄に失われないようにしてほしいものです。
 あわせて、普段から経団連のお偉いさんの言動を天の声であるかのように報じる商業マスコミは、今回の件を大々的に報じて、「経団連の存在意義」を示してほしいものだと強く思いました。

2009年04月02日 23:41