2008年12月25日

誤訳?

 12月24日に掲載されたバレンタイン監督のブログに、一連の騒動に関する記事が載っています。色々含みが多いのですが、その中ですでに数回、球団には「年俸はいりません」と伝えましたというくだりがあり、さっそくマスコミが取り上げました。そして、球団社長らも「そのような事実はない」と明言しています。
 以前からバレンタイン監督の公式ブログには、ときたま不可解な日本語がありました。そこで気になって原文をあたってみたのですが、該当する部分で給与に関わる記述はI’ve offered twice for them to keep my salaryとなっています。

 給与をキープする、というのですから、「現状維持でいい」というわけです。すなわち、複数年での出来高分を辞退した。みたいな意味ではないでしょうか。もちろん、私の衰えた英語力なのであてにはなりません。しかし、それ以前の問題として、普通に考えて、不祥事を起こしたわけでもないのに、年俸返上を申し出る人などいないでしょう。
 もちろん、翻訳だろうとなんだろうと、監督の公式ブログに掲載された以上、これは監督の責任です。もっと翻訳力のある人を雇うべきだったと言わざるを得ません。
 ただ一方で、ページ内に原文へのリンクがあるにも関わらず、この部分だけをもって記事にする、というのもどうだかと思います。
 あと、報道ではこの部分だけ取り上げられています。しかし、同じ文章の中に、「年俸が二割増しで報道された」「スポーツバーに費用が使われていたというのはウソだ」というくだりがあります。原文も見ましたが、これについては誤訳ではなさそうです。
 後者については、スポニチの記事についての反論でしょう。このブログに関するスポニチの記事を見ると、その部分に関する記載はありません。自社の記事を捏造と断言されたにも関わらず、そちらについては批判記事を書かないのでしょうか。
 繰り返しになりますが、原文がどうであれ、公式サイトに載った以上、その言葉には責任が伴ってしまいます。これは「身分照会」同様に監督側の失策でしょう。とはいえ、そのような部分のみ取り上げ、自分たちの報道への批判は無視するという記事の作り方も、いかがなものかと思われます。
 あと、これほどまで一方的に、球団側に有利で監督側に不利な記事ばかり流れると、読んでいる人はどう思うのでしょうか。私のように最初から信用していない人でなくても、さすがに怪しいと思うのではないだろうか、などと思ってしまいました。

2008年12月25日 23:43