2008年01月16日

 電車に乗っていたら、後ろから二十台前半とおぼしき二人の青年による会話が聞こえてきました。片方が「嘘なんて、最後まで突き通せばいいんだよ。そうすれば絶対にばれることがないから」と言い、もう片方も同意していました。
 嘘でその場はごまかせても、後から出てくる矛盾した事実があれば、そのような事は通じない、という事をまだ経験していないのでしょう。さらに、そのような「嘘を自分の中での真実」にする行為が、自分を騙してしまう結果になる、という事も当然ながら知らないのでしょう。

 もっとも、別にこれは「若さゆえ」という事ではありません。人によっては、どんなに年を重ねても、見え見えの嘘を堂々とつく人がいます。先日も、ある老人が、嘘をついて10万程度の金を詐取しようとし、結果的に嘘がばれて金が取れなかったばかりか、他人の信頼も全て失った、という話を聞きました。また、老人という年ではないものの、嘘ばかりついているうちに、肝心の自分が嘘と現実の区別がつかなって判断を誤り、大失敗した人も知っています。
 彼らも若い頃に嘘をつき通してごまかせてしまい、その結果何歳になっても嘘をつく習性が抜けなくなったのかもしれません。その結果、嘘によって得た少々の益と引きかえに、重要なものを失ってしまったわけです。
 後ろで会話していた彼らが、その「嘘人生観」が虚構である事に気付くのはいつのことなのだろうか、などと思いました。願わくば、一日でも早く気付いてほしいものだ、とつい見ず知らずの人たちの将来を案じてしまいました。

2008年01月16日 01:16