2007年12月08日

意外なところで応用できた趣味

[ 交通 ]

 中学時代、国鉄の車両を覚えるのに燃えていた時期がありました。その中で、記憶に残っているものの一つに「113系と115系の区別」というものがありました。基本的には同じ車両なのですが、115系は寒冷地・勾配対策がされています。そのため、東京では、東海道線・横須賀線・総武線は113系で、東北線・高崎線・中央線は115系、というふうに分かれていました。
 この二種類を外見で区別する方法がありました。それは、「正面下部の塗装がV型かU型か」ということです。まったくもって意味のない知識でしたが、これを知った時はかなり嬉しく、中距離列車に乗る度に、正面の塗装を確認したものでした。

 それから25年ほどたった今、総武線各駅で通勤しています。一見、この路線は一つの車種しか走っていないように見えます。しかし、実はE231系と209系の二種類があります。この二つの車種は、外見も車内もほとんど変わりませんが、運用において大きな違いがあります。それは、209系の5号車は他の車両と同じですが、E231系の5号車は座席収納式の六扉車である、という事です。
 したがって、5号車に乗る人はあまり座る気のない人なわけです。そのため、209系が来ると、5号車は非常に座れる可能性が高くなるわけです。
 その両者を正面で区別する方法は二つあります。一つは左帯に張られている「6door」というシールで、もう一つは運転台周辺の塗装の色で、209系が白であるのに対し、E231系は銀色です。前者は分かりやすいのですが、接近するまでは判別できません。一方、後者はかなり遠くから判別できます。
 したがって、接近する列車を見て、白ければ5号車の乗車位置に行き、銀色だったら別の号車の乗車位置に行く、というようにするわけです。これを知ってから座れる確率はかなり向上しました。
 この区別は、実際に見ていて気付いたものでした。色彩とかデザインとかに疎い自分が、それに気付いたのも、中学時代に113系と115系の区別をつけて喜んでいた経験が生きたためかと思っています。
 当時は自分でも「面白いけれど、何の役に役に立たない知識だな」と思っていましたが、まさかこんな形で応用できるとは思いませんでした。趣味が実生活に役立つというのは、いくつになっても嬉しいものです。

2007年12月08日 01:13