2006年12月19日

戦乱のおかげで幸せ?

 子供の頃、アフリカの戦乱に巻き込まれて飢えに苦しんでいる子供達の写真を見せて「君たちは辛いとか言うけれど、この子供達に比べればずっと幸せだ」などと言った人がいました。
 確かに、「その日の食料が確保されている」だけでも、その飢えた子供達よりはよっぽどいい環境なわけです。したがって、その戦乱の被害者達に比べれば自分たちのほうが「幸せ」というのは事実だろうな、などと当時は言いくるめられていました。
 しかし、今にして思えば、片方で高度な文明(?)が謳歌されている時代に、「いつまで生きていられるのか分からない子供達」が多数存在する事が異常なだけな話です。それを見て幸せだと感じる、というのは「戦乱を起こして子供達を飢えに苦しませている首謀者たちのおかげで自分たちが幸福感を得ている」という事になってしまいます。
 もちろん必要以上に自分が不幸だと思う必要はないでしょう。とはいえ、この「飢えた子供達に比べれば」という論法で「幸福」を説くのはちょっと違うのではないか、と最近になって強く思うようになりました。

2006年12月19日 00:08